最初に説明しときますが全然怖くないです。
不思議な体験談です。
暇つぶしがてら読んで頂けたら光栄です。
俺には母親がいない。
物心ついた頃にはすでにいなかった。
離婚だったらしいが詳しいことはよく教えてくれなかった。
唯一あるとすれば部屋の机に置いてある赤ん坊の俺を抱くお母さんの写真だけだ。
一切母親との思い出が無いため、特に会いたいとか思わなかった。
それから数年たって俺は中学生になった。
親父は仕事で忙しく、当然弁当なんて無かった。
毎日コンビニのおにぎりやパンだった。
その時からだった。
あぁお母さんがいたらなぁ。
お母さんの飯はどんな味なのかなぁ、
と思い始めたのは。
そして、中2の夏休み、俺は母親が死んだ事をばぁちゃんに知らされた。
葬式に呼ばれたが、めんどくさくて仕方が無かった。
俺はしぶしぶ行った。
くそ長いお経を右から左へ流しながら来なけりゃ良かったと思っていた。
だが、棺桶の中のお母さんの顔を見たとたん、なんだか変な気持ちになった。
記憶の中に無いと思っていたお母さんとの思い出が薄っすらと蘇ってきたからだ。
すると目頭が熱くなって涙が出た。
ばぁちゃんは黙って背中をさすってくれた。
そして俺が落ち着いてきた頃、ばぁちゃんから色々と話を聞いた。
お母さんが離婚してからもずっと俺のことを気にかけていたこと。
こっそり俺のことを見に来ていたこと。
それらを聞いて俺はずっと近くで見守ってくれていたことに気づいた。
更に涙が出た。
どれだけ思い出が少なくても、お母さんであることに変わりは無く、俺を産んでくれたお母さんは特別なんだと思った。
それから俺はお母さんがどこかで見守ってくれていると思うようになった。
不思議な事が起きたのはこれからだ。
俺は高校受験に向けて部屋で勉強をしていた。
俺の部屋にはベランダがあって、勉強机の反対側にあるため背を向けているとゆうことになる。
その日は暑く、窓を開けて網戸だけしていた。
時刻は午前2時を回るところだ。
突然空気が冷んやりとした。
ベランダには人の気配。
感覚的なものではあったが確かにそこには何かいた。
一点に見つめる。
その何かは部屋に入ってきた。
不思議と怖いとゆう気持ちは無かった。
そして部屋をうろうろした後、俺の目の前にまで来た。
そして確かに俺の頬を何かが撫でた。
その時ようやく分かった。
その正体が何かを。
やっぱり見守ってくれていたんだと。
その時机の上の写真がぱたりと倒れた。
作者カイ
こんにちは。
カイです。
始めての投稿で特に怖くはないです。
不思議な体験談です。
気軽に、暇つぶしがてらに読んで頂けたら光栄です。
またコメントなどお待ちしております。