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私には、4つ上、大学生の姉がいます。
姉と私は、とても仲がよく、姉妹で遊びに出かけることもよくあります。
両親が共働きということもあり、姉は、小さい頃から、私の面倒をよく見てくれました。
これは、私が体験した、とても不思議な体験です。
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それは、ある雨の日でした。
期末試験が終わり、私は、自宅の居間でごろごろとしていました。
両親は、いつもどおり、仕事。
姉は、友だちとお出かけといって、さっき出かけていきました。
最近の高校生は忙しいのです。
こうやって、ゆっくりできる時間はいいなあ、なんて考えながら、テレビを観ていました。
sound:32
ケータイに電話がかかってきました。
画面を見ると、姉から。
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何か忘れ物でもしたのかな?
「もしもし?おねえちゃん?」
「・・・・・・・。」
反応がありません。
「もしもし?聞こえてる?」
「・・・・・・・・。」
電波が悪いのでしょうか、いくら声をかけても、姉の声は聞こえません。
ガチャ
唐突に、電話が切れてしまいました。
電波の悪いところからかけてきたのかなあ、と思っていると、
sound:26
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玄関のドアが開く音がしました。
お父さんもお母さんも、まだ帰ってくる時間ではありません。
玄関を見にいってみると、そこには姉が。
「おねえちゃん、さっきの電話なんだったの?」
と声をかけます。
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しかし、姉の様子がおかしいのです。
こちらの声に全く反応せず、こちらを見ようともせず、玄関に棒立ち。
おまけに、全身ずぶ濡れです。
「おねえちゃん!?どうしたの!?ねえ!」
姉は、能面のような無表情の顔で、水滴を垂らしながら、真正面をみています。
すると、姉は、玄関をあがり、正面にある階段を上がり始めました。
二階にある、姉の部屋に戻ったようです。
その間、何を話しかけても、反応はなし。
私は、何か嫌なことがあって、機嫌が悪いのかな?と、思っていました。
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底から深く考えず、またテレビを観ていました。
sound:26
また、玄関が開く音。
妙な寒気がして、玄関をみにいくと、
そこには、姉。
「雨にふられて最悪〜!」と、笑う、姉。
何が起きてるのか、わかりません。
「おねえちゃん…?あれ…?」
「さっき帰ってきたよね…?」
「何言ってんのwいま帰ってきたじゃんwあんたどうしたのw」
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その後私は、泣きながら家中を探し回りました。
しかし、もうひとりの姉は、どこにもいませんでした。
作者退会会員
初投稿です。
某ネットラジオの怪談コーナーで、メール投稿されていたお話を、思い出しながら書きました。
感想いただければ嬉しいです。