友達が体験した話です。
高卒後、住み込みで旅館の仲居さんになった友人(以下A美)でしたが、一ヶ月も経たない内に退職してしまいました。
せっかく憧れの職業につけたというのに、いったいどうしたのかと訳を聞いたところ、ある夜、住まわせてもらっていた部屋に幽霊が出没したそうなんです。
「大変だったんだね。旅館とかっていかにもでそうだもんね。どんな感じだったの?」
「うん……髪が長くて乱れてるとか、顔が潰れてるとか、ボロボロとか…そーゆー気味の悪い姿じゃなくて……」
A美が言うには、英語の文字が書いてあるTシャツにジーンズ。頭の高い位置でキッチリと髪を結んだややガッチリした健康的な女性らしいのです。
いわゆる丑三つ時に壁からヒョイと現れ「ウァイッ!!」と、自らに気合いを入れるように声を発した後、A美の膝から下の両足を脇に挟み込み、プロレスリングで行われる、ぐるぐる回されるアレをやられたそうです。
実際に体が回されてると言うよりは、体から魂(精神)を引き抜かれ回される感じだそうです。
A美はひたすらグルグルと回される恐怖に気を失ってしまったとか。
次の朝、A美は自宅へ逃げ帰り、きちんとした理由を告げられなかった為、旅館側には散々な言われようだったみたいですが、半ば一方的に退職してしまいました。
霊も本当に色々ですよね。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話