とある町に小さな楽器屋があったんだ。
その楽器屋に、いつも笛を見に来る少年がいて、それを見た店主は
「その笛、そんなに欲しいのかい?」
って聞いたんだ。
そしたら少年は
「うん。今これを買うためにがんばってお金をためてるんだ」
って元気よく答えた。
それを見た店主は、
「この笛はこの少年以外には絶対売らない」
と心に誓ったんだ。
そんなある日、金持ちの男が来店して、少年が欲しがっていた笛を見て、
「私はあの笛がどうしても欲しい。いくらつんでもいい。売ってくれ」
って頼んだんだ。
しかし店主は少年のことを思い、
「いや これはどうしても売れないんだ」
と、金持ちに笛を売らなかった。
ある日、ついに少年はお金をためて笛を買いにきたんだ。
「おじさん!お金たまったよ!笛を売ってくれよ!」
店主は目を輝かせてきた少年に笛を差し出し、その場で叩き折ったんだ。
「これがワシの唯一の楽しみ…」
ってね…。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話