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これは全然怖くないけれど
あなたの身にも起こりうる事だから…
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その少女はサチという。
平凡で霊感皆無のとっても怖がりな子供時代を過ごしていた。
サチは中学生になり人より遅い初恋をした。
同級生のスーと…
幸せだった。
スーが事故で死んでしまうまでは。
それからサチは不思議な体験をしていく。
でも怖がりなはずのサチは全く肝の冷えない性格になっていた。
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サチがハタチを迎える頃、妊娠した。
検査薬を使わないのにサチにはハッキリとわかっていた。
何故ならわかるはずのない『受精』の瞬間に聴こえていたから。
ーーーー今いくよ。
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それからしばらくしてサチは、周りからしたら変なコとしか思えない行動をとるようになった。
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「聞こえてるんでしょ…?」
えっ!?
と、どれだけ見まわしても誰もいない。
まして一人の声ではなく複数の老若男女の声。
わからなかった。
でも、ある日その声の主達がハッキリとわかるようになった。
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「ねえ!あたしよ!!聞こえるでしょ?」
振り向いたサチの視界に少し型落ちのスポーツカーがいた。
「こっちに来てくれる?」
そのスポーツカーの前に行ってみると
「よかった。やっとちゃんと聞こえる人が来たわ!」
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ーー?
サチが目の前に来るなり、その声の主は泣き出した。
「あのね…」
それはスポーツカーの声だった。
前の持ち主の事がとても好きだった事。その幸せだった日々。とても大事にしてもらっていたと。
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「でもね、彼は…」
泣く泣く車を手離さなくてはいけなくなり、売ってしまう事になった、と。
サチがその『彼女』をみると先ほどまでなかったはずのモノが目にとまった。
ヘッドライトに水が半分ほどたまり、ポタリと地面に落ちていたのだ。
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その時から、サチには色々な物の声が聴こえ会話をするようになっていった。
そんなサチの話は、またの機会に…………。
ちなみに、その車をサチは購入した。
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あなたならどうします?
物が溢れる世の中で、全てから声が聴こえるようになったら………
みんな
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喋 る ん で す よ ?
作者ROY-toy