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短編2
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夢のまた夢

最近変な夢を見ると友人が言う。

夢の中で夢を見るそうな。

「いや、それがさぁ。は!って起きるともう9時でさ。遅刻だと思って飛び起きようとすると体が動かないのよ」

「それで可笑しいなって思ってるとまた、は!って目が覚める。時計を見るとまだ6時。奇妙だよなぁ」

なんにせよ遅刻しなくて良かったなんて笑っていた。

様子が変わり始めたのは一週間後くらいか。

話しかけても返事をしなかったり、上の空の時が多くなった。理由を聞くと

「いや、また夢かと思って・・・最近夜何回も起きちゃうんだよ。眠れなくて」

少し顔が白っぽい。大丈夫なのか?

2、3日経って学校に来なくなった。心配で見舞いに行く。

「お前、昨日何してた?」

切羽詰まった様子でそう聞いてくるが、何と言っても・・・普通に学校行って部活して・・・

「分った。すまん。お前は現実みたいだ」

聞くと、その質問をすると夢の中の俺は妙に詳しくスラスラと説明しだすんだそうな。

「きっと夢は俺の記憶の中から作られるから、勝手に想像して答えを見つけるんだろう」

とのことだ。だからスラスラ出てくる。

それからずっと学校に来ていない。先生に聞いても特に収穫は無かった。

一月ほどたった頃、彼の訃報を知らされた。自殺だそうな。

きっとあの夢が原因だ。俺にはそれしか思い当たらない。

葬式から帰った後、制服を脱ぐのも面倒でそのままベットで寝てしまった。

・・・は!夜中に起きた俺はぐっしょりと嫌な汗をかいていた。

確かに見た。夢の中で夢を。しかし、俺には簡単に現実かどうか判断することが出来る。

何故なら夢の中では死んだはずの友人が居るのだ。

「いやさ、昨日はな。朝7:04に起きて顔を洗って歯も磨いてトイレで小便をして朝飯を食べてタマゴを床に落として・・・」

あいつずっとしゃべってる。頭がおかしくなりそうだ。

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