中学の時の話。
友人が自殺した。
クラス内でいじめられていたことは知っていた。
見つけるたびに私が止めに入っていたが、どうやら見えない所で続いていたらしい。
彼女の部屋に残された日記を読み、初めてこの事実を知った。
いじめの内容、加害者のリスト、恨みつらみが日記には書かれていた。
そして日記の最後、恐らく自殺前に書いたであろう文章を見つける。
それは自分の命を代償に人を呪う術についてだった。
まさか、友人はこれを実行したのでは…
1.対象の写真を用意する
2.対象の名前の書かれた紙を用意する
3.己の腹を切り、その血で対象の名前を塗りつぶす
きっとそうだ。
それならその写真と紙はどこに…
写真…名前…
部屋の本棚の一冊の本が目に止まる。
小学校の卒業アルバムだ。
背表紙が赤い何かで汚れている。恐る恐る、アルバムを手に取り開く。
真っ赤だ。私と彼女が居たクラスのページが全面真っ赤になっている。
なんで…いじめてた人以外も?
そして…私も?
良く見ると盛り上がっている箇所を見つける。何か貼ってある。
…マスキングテープだ。なるほど。
テープを剥がした所にあった名前は、友人の名前だった。
もう一つあるべきテープが見つからない。
私、あんなに相談も乗ったじゃない。なんで…なんで…
私は友人の名前を赤で塗りつぶし、アルバムを本棚に戻した。
作者gora1599-2