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中編3
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廃村

大学3回生になったは私の日課は最近免許を取ったばかりなのもあり毎週休日には1人でドライブに行くことだった。

1人でドライブに行くのも悪くない。

自分だけの時間を好きなように使い誰にも気を使わずに過ごせる時間は大学での疲れを忘れさせてくれた。

ある日私はドライブの帰り道路の端に舗装のされていない脇道を見つけた。

その時午後8時を回ったくらいであたりは暗かったがその時はなぜか怖いという感情よりも好奇心のほうが強かった。

車をUターンさせ、さっきの脇道に入った。

道は案の定コンクリートなどは無くガタガタだった。

道はずっと一本道だったがだんだんと幅が狭くなって行く気がした。

どれぐらい走ったのかわからない。

1時間は走った気もするが10分と言われたらうなずいてしまうかもしれない。

あたりはだんだんと暗くなっていき気がつくと10時を超えていた。

だんだんと怖くなり焦りが見えてきた私はハンドルを逆方向にきってしまい道を外れてしまった。

車はぬかるみにはまり脱出することは無理だった。

「くそっ!なにやってんだよもう!」

こんな山のどこかもわからない場所で帰る手段もなくなりひとまずここで野宿することにした。

この時すでに12時を回ったあたりだったと思う。

車の中でレッカー車を呼ぼうと思ったが時間も時間だし圏外だった。

いてもたってもいられなくなった私は外にでることにした。

あたりは真っ暗で街灯など一つもなく頼りになるのは念のため車に入れておいた懐中電灯だけだった。

夜の山はいろんな音が聞こえた。虫の鳴き声、風の音、それに動物の歩く音。

それは私にとって恐怖でしなく平常心を保つにも時間の問題だった。

30分くらい歩いた時ふと明かりが見えてきた。

「あれ?行きには明かりなんか見えなかったのに…。車のライトで見えなかったのかなぁ…」

何はともあれ安心した私は明かりのほうえと歩いて行った。

明かりは小さな集落だった。

集落といっても家が5.6軒に畑と川がある程度だった。

私は一軒の家をたずねた。

「すいませーん!。すいませんーん!」

玄関の前で何回か言うと中からはおじいさんとおばあさんが出てきた。

「こんな時間にどなたですか?見ない顔だねぇ じいさん!ちょっと来ておくれ!」

おばあさんをいかにもやさしそうなおばあさんだった。

「道の途中で車が動かなくなってしまって…。すいませんけど一晩だけ止めてもらいませんか?」

無理は承知で頼んで見たが2人は快く引き受けてくれた。

しかも晩飯も食べさせてくれた。

おばあさんとおじいさんが言うにはここはいわゆる限界集落らしくて街との交流も遮断され時給自足で生活しているらしい。

電気も通っておらず焚き木を焚いて明かりはつけていたらしい。

私はなぜか実家に帰ったかのように甘えてしまい。ぐっすりと眠ってしまった。

朝起きると村の人々の助けもあり車はレッカーを呼ばずとも脱出することができた。

「いろいろとお世話になりました!また来させてもらいます!」

私はそう言うと、

「いつでもまっとるよ。」とおじいさんとおばあさんは笑みを浮かべて言ってくれた。

私は家に無事に帰ることができた。これも全てあそこの人たちのおかげだ。

私は今度お礼をもって行こうと思った。

一ヶ月がたったある日私はようかんをもって行くことにした。

またあの脇道に入り進んでいくと集落はあった。

だが様子がおかしい。

私は車をおりて駆け寄っていった。

そこにはボロボロに朽ち果てた誰もいなくなってから80年は過ぎたであろう廃村があった。

つい一ヶ月前私がお世話になった家は木が朽ちていて人がすめる様子ではなかった。

私はなぜか涙がこみ上げきた。

「お世話になりました!これはあの時のお礼です!」

私はその朽ち果てた家の前にようかんをおいて帰ることにした。

今でも思うあの時のおじいさんとおばあさんはなぜ私を助けてくれたのだろうか。

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