小学生の頃、イトコが住んでる鹿児島に泊まりに行った。
三泊したのを覚えてる。
イトコの家は鹿児島でも結構、田舎で自然豊かな場所にあった。
家の後ろは山、庭には冷たい山水が流れる用水路があって
夏場なのに、何故か.. 不思議な程涼しかった。
小学生の俺とイトコははしゃいで、笑って
走りまわって、朝から晩まで遊んだ。
風呂に入って、飯を食わせてもらって寝るzzZ
そして、俺は奇妙な夢を見た。
それは白黒の夢で、戦争の光景が延々と出てくる。
軍服を着た日本兵や、大砲何かがずっと出てくる。
不思議なのは、俺は一切出てこない..
簡単に言えば、白黒の戦争の映像をずっと見せられてる様な感じ。
起きたら、汗だくで何か得体は知れない恐さがあった..
結局、その夢を三日三晩見た。
イトコが言った。 -うなされてたよ。
俺は聴いた。 -何か、言ってた?
イトコ -えっ何か.. 苦しい苦しいって言ってた。
鹿児島から帰る日の朝、その話をイトコの親父にした..
すると、イトコの親父は答えた。
-あーこの辺はね、鹿児島でも戦争の被害が大きかった地域よ。
空襲でたくさんの人が焼け死んだって、聞いとるよ。
俺〈名前〉に何かを伝えたかった、訴えたかったんじゃなかね..
実家に帰ったら、その夢は見なくなった。
あれ以来、見てない。
けど、今でもあの白黒の映像は脳裏に残ってる..
作者大海陽