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短編2
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夢の男

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これは、俺が数ヶ月前に見た夢の話です。俺は、クラブが終わり家へ帰る夢を見てました。夢の中では冬なのでしょうか、辺りは暗く外灯が一定区間に並んでいるだけの道を自転車で走っていました。しばらくして家に着き門を開けて自転車を庭に置き家のインターホンを押そうとしたら、家がおかしいことに気付きました。

『電気がついていない。』

そう、いつもはついているはずの家の電気がついていないのです。何気にドアノブに触れてみたら、ドアがあいているのです。現実だったら、ここで自分は躊躇していたのですが、夢の中の自分は積極的にズカズカと家の中に入っていきした。

『ただいま〜。』

返事がない。

『おかん?(大阪弁で母のことをおかんという)』

その時、階段の上から誰かが降りてくる音がしました。

『おかんか?』

俺は安堵しながら階段の上の方をみました。だが、その安堵はそいつを見た途端一気に吹き飛びました。ミナケレバヨカッタ。ダガモウオソイ。

『ウワァー‼︎』

階段の上から降りてきたのは、おかんでも、家の人間でもない。そこには目が真っ黒で口から牙を剥き出したでっかい鉈を持ってニコニコしている男が手を振りながら降りてきた。

『来るな‼︎』

俺は叫びながら外へ出て、自転車に飛び乗り、家から脱出した。後ろから笑い声が聞こえてくるが振り向くひまなくひたすら自転車をこいだ。そして気づいたら、最寄りのJRの駅前まで来ていた。周りには会社帰りの人や学生でごった返している。自転車を降りて後ろを振り返るとそこには、あの男がいなかった。駅の券売機前まで来た時、警官を発見しさっきのことを言おうとした。

『すみま・・・。』

目の前に地面が迫ってくる。そして地面に自分の手がつく。そう自分は今、倒れた。ドウシテナンデ。ジブンノセナカニテヲアテル。アカイ。

『キャー!』

『君!大丈夫か!』

周りの人が俺から離れる。そして俺は刺されたことを悟った。もちろん刺した犯人も大体検討がつく。そして俺は見つけた人混みの中にあの男がいることを。そして周りはうるさく、声も聞き取れないはずなのに確かに聞こえた。

『今は夢だけど、次は現実だからな!』

そこで俺は目が覚めた。

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