短編2
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俺は…

music:4

作り話だけど、よかったら最後まで聞いて欲しい。

俺は既婚だ。

しかし、ある日のことだ

妻が俺を無視するようになった。

俺が『おはよー』

って言っても、妻は『…』無口で朝ごはんの準備をしている。

俺がなにしたかは全く心当たりがない。

無視される前日までは、朝ごはんだって手の込んだ物だし、出勤時にはキスまでしてくれる。

こんな幸せな生活が続いたらいいなと思った。

しかし、まるで『声が聞こえていない』ようになってしまった。

朝ごはんの時間だ。

いい匂いが漂っている。

『あぁ、腹減った。』

そう思い、席に着く

妻の朝ごはんが用意されている

白米と角煮だ

あぁ、うまそうだ

無視してても、飯は手が込んでいる。

あれ?おかしいぞ

俺の分を用意しないまま妻は朝ごはんを食べ始めた。

『え、朝ごはんも無しかよ。』

まぁ、イライラしたが、無視される理由も知らないまま怒鳴るわけにはいかない。

様子を見よう

さぁ、仕事に行こうか。

職場に着いた。

何時ものように『お早うございます!』

と、気合を入れるように挨拶をした。

しかし、みんなは黙々と仕事をしている。

え、みんなまで無視かよ?

『どーなってんだよ』

電話が来た。

受話器を取る。

みんなはなんか驚いてる。

『は?』

そして、時間は過ぎ、帰宅。

ちょうど妻が玄関から外へ出てきた。

あれ?葬式に行く格好か?

まぁ、いいや。

俺は家に入った

え、鍵かけ忘れたのか?

不用心だなぁ

あー、夕食がない。

まぁ、そーだと思って用意してたんだけどね。

妻が帰ってきた。

泣いてる?

妻は部屋にこもってしまった。

鍵を締める音がした。

なんなんだろうか。

俺は、部屋に入った。

妻は一人で結婚式のビデオを見て泣いていた。

え、なんで泣いてんだ。

妻は泣きながら、

『なんで、なんでA(俺の名前)が…』

え、俺?

あ、待てよ。

なんでだ、なんで妻は俺を無視する?

なんで、会社で電話器取っただけなのにみんなは驚く?

え、部屋に入れた?

鍵かけてるんだよな?

俺は確認した。

鍵はかかっている。

え、なぜだ!?

頭が混乱する。

あ、俺って、俺って…

もう、この世に存在してないんだ。

妻が行ってたのは、俺の葬式。

俺は、死んだ。

Concrete
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