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短編2
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飛び降りる白い影

今から5年前の話

当時中学2年生だった私は夏休みに友達3人ととある団地のお祭りに行った

夕方から出店を周り日が落ちて辺りが暗くなった頃 友達の1人が肝試しをしようと言い出した

その団地には一際大きい号棟があった

5階建ての号棟しかない団地の中でその号棟だけは12階まである

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その号棟は数年前に建物の劣化との理由で住人は全員越して行き解体を待つのみの言わば廃墟だった

しかし立ち入り禁止されている訳でもなく夜になれば妙な薄気味悪さを放っている まさに肝試しには打って付けの場所だった

私たちはそこに肝試しをしに行くことにした

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肝試しと言っても号棟の1番上まで行って下りてくるだけなのでそこまで怖いものでもなかった

廃墟と言えど電気はつくし1人ずつ行くわけでもなかったので本当に面白半だった

私を含め4人で少し薄暗い階段を上がって行った

異様に静かで当たり前ではあるが人気の無さに少しビクビクしつつも何事も無く12階まで着いた

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12階ともなるとそれなりに景色も良かった

遠くの夜景を少し眺めていたがすぐにそれにも飽きて割とすぐに元来た道を引き返すことになった

「何にも無かったね」等と話しながら下りて行ったが8階を通り過ぎた辺りで何となく寒気を感じた

特に気にも止めなかったが階段を1段下りて行くにつれ寒気が強くなっていくような気がした

そして7階の踊り場を過ぎた辺りで何か気配を感じて私は振り返った

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私が振り返ったのに気づき友達もみんな振り返った

そして 固まった

7階の踊り場に白い人影が見えた それは踊り場の手すりを乗り越えるとスーっと落ちていった

何が起きたのか一瞬理解出来なかった

友達の1人が叫ぶ声で我に返って慌てて白い影が落ちた場所から下を除き込むが下には何も無い

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パニックになりつつも此処に居ては駄目だと思い階段をかけ降りてその号棟を出た

号棟を出てお祭りで賑わう出店がある所へ戻り一先ずベンチに腰かけた その時初めて自分が震えてることに気がついた

何とか平静を取り戻して友達を見ると1人は泣きじゃくりもう2人がその子を慰めている

すると慰めていた2人が私に「今…何があったの?」と聞いてきた

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どうやら友達2人には見えていなかったらしく私は今見たことをありのまま説明した

その後泣きじゃくる友達が落ち着くのを待ち何かが落ちた筈の場所を見に行った

辺りをくまなく探してみたがやはり何も無く気味が悪いしもう帰ろうとその日は解散した

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後日知ったのだがその12階建ての号棟では1度だけ飛び降り自殺があったらしい

あの日見たのは飛び降り自殺をした人の霊だったんだろうか

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