昭和の時代になりますが、わたしが小学低学年だった頃の話にさかのぼります
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あの頃のわたしはおかっぱ頭にピンクのジャケットに青いズボンを履いていて、サッカーが好きな活発な女の子でした。
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わたしの家族は父親に母親、一つ上の姉に弟、妹が2人います。
私を含め全部で7人家族でした。
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父親は運搬業をしていて、トラックの荷台に寝泊まりしながら懸命に私たちを養うためにほとんど仕事漬けだったので帰ってくるのは日曜日だけです。
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日曜日は家族でお出かけするのが日課になっていて、その日をいつもいつも楽しみにしていました。
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いつものように日曜日の朝は、父親は帰ってきたらすぐにシャワーを浴びてそれから朝ごはんを食べて話をしてから皆で出かけます。
わたしは前日、明日はどこに連れてってくれるのかなぁ〜〜?お父さん??
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そんなことを考えながら過ごしたので
楽しみのあまり寝れなかったのです。
寝たのは朝方だったと記憶しています。
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日曜日のその日はいつものように父親はシャワーを浴びていました。
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わたしは
コタツの中でうとうと
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シャワーが終わる頃には起きていようと決めていました。
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眠気には勝てず
ついにわたしは眠りに落ちました。
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はっと気がつくと
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夕方になろうとしてる頃に目が覚めました。
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辺りをキョロキョロ見回すと
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だれもいない…
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あんなにうるさかった家族の声は全く聞こえてこないのです。
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しずかなこえで「おとぅさーん」
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………。
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はっきりと「おと〜さーん!!」
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………。
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「おかぁさーん」
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………。
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「おか〜さーん!!」
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頭の中が真っ白になりました。
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置いていかれたんだぁ…
うわぁぁあああん!!泣
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泣いても誰もきてくれません
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わたしは諦めて、テレビをつけました。
テレビについてる丸いチャンネルを左右に回しながらチャンネルをかえました
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白黒テレビ、
映りがわるいなぁ
ザーザー
なかなか
どのチャンネルつけてもつきません。
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12チャンネル
「お母さんといっしょ」
映った
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しばらくみてみると
shake
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sound:14
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shake
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sound:14
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どこからかきこえる
この音
まわりをキョロキョロします
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テレビにぼゃーっと
何かがうつりはじめました
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坊主頭の男の子
白いタンクトップに半ズボン
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その横には
おかっぱ頭の赤いちゃんちゃこを着た女の子が
ぼゃーっと移りました。
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あれあれ?なにがはじまるのかなぁ〜
みてみると
shake
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遠くに見えたのが
近づいてくるではないか
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一歩一歩前へ
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まるで道があるかのように
こちらに近づいてきます。
よくよくみると
shake
無表情です。
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たち止まらずこちらにきます。
まるで目の前にいるようなそんな錯覚に落ち入りました。
女の子の顔が
ニターリ
不気味に笑ってるかのようにみえました
気味が悪くなってきました。
テレビを消そうと思ってスイッチをいじります。
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shake
ガチャガチャ
ガチゃがちゃ
消えない!!
はっとテレビをみると
立ち止まってこちらを
じーっとみているではないか
shake
こわくなってきて、コンセントを抜こうとしたらコンセントは始めから抜いてありました。
はっとしました。
おばけ??
ゆうれい??
どわー!!
かなり驚いて
心臓バクばくです。
こわくなってきてワンワン大声で泣きました。
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「おとぅさーん」
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………。
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「おと〜さーん!!」
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「おかぁさーん」
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………。
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「おかぁさーんこわいよぉーこわいょぉ」
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コタツの中に入ってブルブル震えながら叫んでいました。
気づいたら自分を呼ぶ声がしました。風邪引くよ
おかぁさんの声でした。
どうやら、コタツの中で寝ていたみたいで起こされたのです。
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「おかぁさーん」
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………。
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「おかぁさーん!!さみしかったよぉ!!こわかったよぉ」
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そのときはこれで終わりました。
大人になって結婚をして
何年か経って皆で集まったとき昔話に花が咲きました。
そういや、あの頃、みんなどうしておこしてくれなかったのー
どこにいってたのー??
お姉さんが言う
寝ていたからお母さんがそぉーっとしておこうねって
皆で買い物行ってかえったんだよー
わたしね、
わたしね、あの頃こわーい想いしたんだよ。
あの白黒テレビ、あれ男の子と女の子が映るんだよ。すごくリアルでこわかったぁ…
お姉さん「あれって、うちのお母さんが拾ってきたやつなんだよね。
あの テレビ おかしくなかった??
ザーザー
移りもよくなかったけど
急に切れたり したよねぇー」
一気に寒気がガクブル
実話です。
完
作者mami makimoto