「なにこのメール・・・」
ある日、パソコンで次の仕事の準備をしていると、突然メールが届いた。
私は何気にそのメールを開いた。
【本文】
メリークリスマス!!
あなたは特別な1人として選ばれました。
このメールに願い事を書いて、12月25日に返信しましょう。
そうすれば、その願いが叶いますよ♪
END
送信者は「サンタ」となっていた。
「これって・・・・チェンメってやつ?」
私はそのメールを不審に思ったが、別に回せとは書かれていない。
返信したらウイルスに感染するかもしれない。
しかし、私には叶えてほしいことがあった。
「おい!!さっさとメシの用意しろ!!聞こえないのか!?」
私がいる2階の部屋に、大声で1階から男の声が聞こえている。
あいつだ。
あいつが私の叶えてほしい対象。
見ての通り、かなり乱暴な性格だ。なぜ私はこんな男と結婚したのだろう。
「今行くから待っててよ!!」
私は乱暴に答えた。
・・・・・こんなチェンメに頼るなんて。私、かなり疲れてるわね。
丁度明日は12月25日。
時刻設定をして私は返信メールを書いた。
【本文】
Re:1人になりたい。
あの男がいない世界に行きたい。
あの男と永遠に会わなくて言い場所に。
END
12月25日。
私は仕事が終わり、重くなったまぶたをこすりながら玄関を通ってリビングに行った。
すると、パンッというクラッカーの音とともに私の眠気は一気に覚めた。
見るとあいつがクラッカーを持って待っていた。
「メリークリスマス。最近仕事が上手くいかなくて、お前に八つ当たりしたりしてごめんな」
あいつは申し訳なさそうな顔で言った。
その顔は嘘などではなく、本当に反省している顔だった。
うれしかった。
そんなこと、考えたこともなかった。
私が間違っていたのかも。
「ありがとう・・・メリークリスマ・・」
そのとき、
ガシャァァァン!!!
shake
突然私の後ろから信じられないほどの激痛が走った。
「・・・・・・!」
あいつの声がだんだんと遠ざかっていく。
数秒後、私は家に突っ込んできた軽トラックに轢かれたのだと分かった。
なんで?どういうこと?
そうして、私は目の前が真っ暗になっていくのを感じていた。
パソコンに、新着メールが届いた。
【本文】
メリークリスマス!!!
プレゼントを贈ったよ。
「1人になりたい」が叶ってよかったね。
これであなたは永遠に1人だよ。あの世でね♪
END
作者水無 月