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文章書くことに関してかなりの素人ですがそれでもいい方は読んでいただきたい。
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俺のうちは日本家屋だ。
そんなに古くはねぇんだけど、ちょっと年季が入ってる。
年中風が通って涼しいし、中で過ごしていて落ち着く家なんだが、
どうもうちでは変なことが度々ある。
その出来事から一つお話ししよう。
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俺はその日、一日をごく平凡に過ごした。
特別嫌なこともその逆もなく、
何となく平和なそれだった。
学校から帰って家の中に向かって言う。
「ただいま〜」
まあ、これはいつものことなんだが、
今回はちょっとばかし違いがあった。
家に誰もいないこと。
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このことは、うちの事情にしては少し変だった。
この時俺には二人の妹がいたんだが、
一人は小学校低学年、もう一人はまだ小さくて学校にすら通っていない。
それにこの時間はばあちゃんもいるはずだから、家には誰かしらいるはずだった。
勿論、帰ってからすぐに家中を回ってみたが、やっぱり誰もいない。
(…買い物にでも行ったのか…?)
ただ、それなら書き置きかなんかもあるはず。
ばあちゃんが置きそうなとこはくまなく探したが、
そんなもんは何処にもなかった。
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(…どーこ行ったんだか…)
そう考えながら腹が減ったので煎餅か何かないかと探していると、
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…うちの何処かで鈴が鳴った。
「え…?」
鈴⁇
鈴なんかあったっけ?
よく分からずにその場で考えていると、
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まただ。
音の方向からすると、どうやらばあちゃんの部屋らしい。
ちょっとビビってはいたが、
俺は行ってみることにした。
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ばあちゃんの部屋は、うちの一番端、
西側の一番北寄りにあった。
雨戸も付いてるから普段からあんまり入ろうとは思わないが、今は気になって普通に入ろうとしていた。
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取り敢えずノックをする。
「ばあちゃーん、いる…?」
………。
返事はなかった
「お邪魔しまーす…」
中は何度か入ったが、やっぱり変わらず殺風景だった。
ベッドと箪笥と箪笥、それから箪笥。
この部屋は何故か箪笥が多かった。
着物用と普段着用、あとは俺が生まれるずっと昔に死んじまったじいちゃんの箪笥らしい。
まあ今は箪笥などどうでもいい。
俺は音源である鈴を探した。
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「おーい、鈴ー。何処だー」
答えるはずもない鈴を探して約五分。
お目当てのものはその影すらなかった。
「なんなんだよ、ったく」
探すのに飽きてしまいベッドに腰を下ろしたその時。
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ベッドに引っ掛けてあったラジオが突如動き出した。
「⁉︎」
ビックリした。
急に雑音が流れ出すなんて考えてもいない。
普通ビビるだろ?
しかもよく聞くとラジオ番組じゃなかった。
「ザ……ザザ…○………○○…」
ばあちゃんの名前だった。
なんでラジオから流れてくるんだよ。
さらに聞いてみると、
「ザザー………は………か…ザザッ」
は、墓⁉︎
何だよそれ⁉︎
怖くなってラジオの電源を切ろうとしたその時。
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…またもや鈴だった。
今度は茶の間から。
俺は足音を立てないように茶の間へ向かう。
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茶の間の前に着く。
何がいるのか分からない。
俺は近くにあったクイックルワ○パーを持って、叫びながら勢いよく障子を開けた。
「どりゃぁぁぁ‼︎」
「あ、にいちゃんやっときた!」
…そこに居たのは、いるはずのないばあちゃんと二人の妹だった。
「え?え…?」
「にいちゃんドッキリ大せいこう!」
訳がわからない俺に、ばあちゃんが説明をしてくれた。
「買い物行ってたんだけど、帰ってる途中であんたが家に入ってくのが見えてね。
二人が欲しいって前から言ってた鈴使って脅かそうって話ししてたんだよ。
そしたらまあ裏口から忍者みたいに足音立てないで入っていってね、面白かったよぉ」
…用は、俺は妹共に一杯食わされたらしかった。
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「馬鹿ヤロ本気でビビったわ!
ラジオも途中でスイッチ入るし!
悪戯が凝りすぎだっての!」
俺がそう言うと、
「ラジオ?なにもしてないよ⁇」
「なっちゃんも〜」
「あたしもいじってないねぇ」
ラジオについては、三人とも何もしてはいなかった。
俺は怪訝に思ったが、キャイキャイと鈴を振り回す妹たちに散々相手にされて、
ヘトヘトになってその日は寝た。
ただ、数年後この事を思い出してばあちゃんに話してみると、
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その日は、じいちゃんの命日だった。
あれから、ラジオのスイッチが勝手に入る事は一度もない。
作者有明月斗
ほんとこの時はビビりました汗
ラジオの故障だったらいいなぁ…