自分の家であった話
その日は夏ということもあり、特別に暑かった日で汗だくだった
夕方、自分は涼むために風呂場に行きシャワーで水浴びをしていた、シャワーを浴びているとシャワーの音に混じって何か音が聞こえた
ザッザッと外を歩いている音だった
自分は(ああ、誰か歩いてるな)程度だったのだが、ふと違和感を覚えた
その足音は、右へザッザッ 左へザッザッと何度も往復しているような音だった
気になって窓から外を見ると、一見どこにでもいるような女がいた
その女は帽子を深く被っていて顔は見えなかった
自分は気にせずシャワーを浴び終えて、体をふいて着替えていつもどおりテレビを見ていた、その日はそれだけだった
次の日、押し入れで探し物をしているとまた音が聞こえた、今度は玄関の近くから聞こえた
自分は宅配便でも来たのかと思いドアの前に歩いていき、玄関に着いた途端足を止めた
ドアはすりガラスでお客さんが見えるのだが、そのお客さんは「帽子を深く被った女」だった
その女はドアの前に立つこともせずただ歩き回っていた、前に見たように右へ左へ・・・
しかもその女はよく見ると靴を履いていない、つまり素足だったのだ
怖くなった自分は急いで部屋に戻りテレビとパソコンを付けた、ふと見ると時計は6時半を過ぎていた、その日はそれだけで何もなかった
また次の日、暑かったのでいつものようにシャワーを浴びているとまた足音がした
自分は怖くなったが確かめないわけにはいかないと外を見たが誰もいなかった
自分はホッとしてシャワーを浴び終えて体をふいて時間を確認した、時刻は6時40分ぐらいだった気がする
髪をドライヤーで乾かしているとまた足音が聞こえた
その足音は、廊下から聞こえていた
自分は一人暮らしで他に人はいないしペットも飼っていない、ドライヤーの電源を切って少し洗面所のドアを開けて廊下を見た
その時自分は腰を抜かした
昨日、一昨日と見たあの「帽子を深く被った女」が廊下を歩いていた
彼女はいつものように右へ左へと歩いていた
自分は恐怖で座り込んでしまい目をつぶって震えていた、しばらくして外が暗くなってきた時、廊下を見てみると彼女はいなくなっていた
自分は急いで着替えて部屋に戻りドアを閉めて布団に潜り込んでタブレットをいじっていた
気が付くと自分は寝ていたらしく外は真っ暗で部屋は電気がついていなかったので電気をつけて部屋を出ようとした
しかし、自分はまた腰を抜かしてしまった
あの女が部屋のドアの前にいるのだ、すりガラス越しに右へ左へ歩き回りながら
慌てて布団に入り早く朝になってくれと、震えながら待っていた
待っている間にも足音は聞こえていた
どれくらい待ったが分からないがその足音が完全に聞こえなくなった時にはもう外は明るかった
あれ以来女は見ていないし、何か不幸な目にあったわけでもない
あれは何なのかと今でも考えるがやっぱり分からない
ただただ怖かった、今でもシャワーを浴びている時はしきりに外を気にしてしまう
作者大味
初めての投稿で変な部分があると思いますが・・・
怖いと思っていただければ幸いです