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昔、とある山奥に河川があり、集落とその河川の近くを沿うように鉄道が走っていた。そんなある日この場所にダム建設を計画することになり、集落の人達はダム建設に反対した。
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結局その集落の意見は届かず、数年後河川にダムが完成するとダム湖の誕生により集落と鉄道の一部区間が水没することになった。その後、集落の人々は都会や山の高い所へ移住をし、鉄道は水没廃線区間の付け替えに新しい区間を開通した……
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鉄道マニアの私と廃墟マニア友人はその情報をインターネットで知り、興味を持った2人は夏休みの8月27日にその場所へ行くことにした。この時期は8月の終わり頃までダム湖の渇水により水位が下がり、普段沈んでいる廃線区間や集落跡の廃墟が現れるらしい。
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当日2人はダム湖近くの山の県道へ行った。眺めたところ情報のとおり、確かにそれは見えた。しかし県道からかなり下方にあり、湖面へと続く廃道などがなかった為、仕方なく2人は山の斜面を下りて無事、山の下方にある廃線に辿り着いた。
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廃線からさらに下方は崖になっていて落ちれば命はない。夏の暑さで草が茂る中、廃墟がある方へ廃線を歩き、途中で暑さに弱い私は「悪いけど、手荷物持ってくれない?」と友人に言った。「いいよ。手で持ってくから任せときな。」と友人は言った。
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廃線を歩いて10分後、渇水した湖が視界から見えるようになり、かつて駅があった場所に着いた。その場所から近くの少し下方に県道から見た集落跡の廃墟があった。集落跡付近は湖が広がっていた。「少しここで休憩するか」と私は提案し友人と休憩した。
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友人は手が疲れたのか、先程持ってた私の手荷物をリュックに入れた。友人のリュックは膨らんでいたが「大丈夫だよ!背負うくらい平気さ」と言っていた。これ以上先は廃線を歩けないため、私は友人と共に廃墟へ向かった。地面は湖で堆積した泥で歩きづらかったがなんとか廃墟の中に入ることが出来てその後も探索し終えたその時だった。
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廃墟の外から大きな蜂が飛んできて距離が近い友人を刺しその場で倒れた。友人を刺した蜂は私にめがけて飛んでく…。私は急いで視界に入った山をひたすら登り中腹辺りで蜂に刺されて目の前が真っ暗になり気を失った…。
shake
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目が覚めると病室のベッドにいた。そして視界には看護師と救助隊の人の2人がいた。しばらくして救助隊の人に話を聞いたところ蜂に刺されたあとの6日後にヘリコプターが来て救助したらしい。その時私は飢餓寸前だったがなんとか意識は取り戻したとのこと。「今日は何日ですか?」と私が聞くと救助隊は答えた。
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「今日は9月5日だよ。…ところで君はこんなダム湖で
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一人で何やってたの?救助した時は君の服はビショビショだったし下手をすれば死んでたぞ!…あそこは危険だぞ!二度と行くなよ!」と言われた。痩せ細った私はこれを聞いて硬直した。
「え、一人…? 友人は…あ…もしかして、まさか…。」
作者oku-zero
現地に行ったのは8月27日で湖から近い場所の廃墟で友人がさされた。その後も湖から高い山の中腹辺りで私も刺される。その日から6日後に救助されているので9月3日となる。8月の終わり頃まで渇水なので、その時点では湖は渇水してはなく、本文の最後辺りには救助隊の人から“君の服はビショビショ”と言っていたので湖がそこまで来たということになる。救助隊の人は一人で行動していると思っていることから友人は救助されていない。つまり、友人は湖底へ溺死したことになる。また私の荷物を入れたリュックを背負っているのでその重さから死体が湖面へ浮かびがってこない。#gp2015
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