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短編2
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絶対忘れられない絆

私は今、同い年の友達2人とひとつ上の先輩とで、4人のバンドを組んでいます。駅の路上で歌ったり、福祉施設に行ったりして活動しています。

私がボーカルなんですが、実はもう1人 ボーカルがいました。

2年前、その子は自殺しました…

その子がいつも作詞を担当していました。

亡くなった後、その子がいつも歌詞を書いていたノートが出てきました。

バンドメンバーみんなで泣きながら、その子の思い出話を語りあったりしながら、そのノートを開きました。

ノートは、書いた日付や番号がきっちり書いてて、ものすごく見やすく、みんなで感心しながら、見ていました。

と、ある事に気がつきました。

最後のページの日付がその子が亡くなった後の日付になっていました。

そこのページは日付以外何も書かれてなくて、みんなは不思議に思いました。

歌詞を私が担当する事になって、そのノートは私が遺品として持つ事になりました。

その年から1年後(今から1年前)、 久しぶりにそのノートをひとりで見ていました。 気になった最後のページを見たら 赤い字で、『苦しかった…』と書いていました。

普通は、赤い字であとから文字が付け足された事などが不思議だと思うのですが、その頃の私は、そんな事より、なぜ 自殺したのか?なぜ苦しかったのか?が疑問でした。

あとからその子の兄に、聞きました。

「妹は、僕と本当の兄妹でないんだ。妹の本当の両親は多額の借金で自殺して、まだ赤ん坊だった妹を僕の両親が引き取る事になったんだ。でも僕の両親はまだ小さかった妹にタバコを腕に付けたり、殴る、蹴るなどして妹を虐待した…僕は精一杯かばったりしたけど、かばえば僕が親に殴られた。ある日妹は自分の本当の両親の事を知った。妹はショックで家をとびだし…それっきり帰ってこなかったんだ…」

しばらく私とその兄は沈黙しました。

それが理由で自殺したとわかった時、私はおもいっきり泣きました。

その子の歌詞は優しさがあり、いつも友達や家族がテーマでした。その中で『家族』と言う歌詞のサビがこれです。

【花が咲く…あなたの香り 何回も思い出します。何も知らない私だけれど、いつも、優しさが伝わってきます…】

今もこの歌は私ひとりで歌っています。あの子とこの歌を一緒に歌ってた頃が懐かしさと悲しみで胸がいっぱいになります。

怖い話投稿:ホラーテラー ななさん  

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