短編2
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『さわりて』

俺の通っていた中学校には不思議怪奇伝説が一つだけあるんです。

それは『さわりて』と呼ばれるものです。

その内容は

「夜中の3時に3階の男子トイレの大便トイレを使ってると便器の中から手が出てきて股間のモノをすごい力で握ってくる」…という話です。

ふざけた話ですけど、地元じゃ結構有名で、昔からある不思議怪奇伝説のようでお爺さんやお婆さんも知っています。

初めて聞いた時「なんだそれ…」と思いましたけど、更に詳しく話を聞いてみるとなかなか怖い話でした(色んな意味で)。

『さわりて』は便器の中から出てきただけあって、とてつもなくヌルヌルで気持ち悪いらしいです。

ですが、モノを掴まれても絶対に振りほどこうしたりしてはいけません。

そんな事すると、モノをひきちぎられてしまうからです。

とりあえずまずは“待つ”ことです。

『さわりて』は握っているモノの大きさを確認しはじめます。

それで、『さわりて』の好みじゃない“大きさ”だった場合は何もせず便器の中に戻って行きます。

しかし『さわりて』の好みの“大きさ”だった場合、便器の中に引っ張っていくという。

目的?知りません。知りたくもありません。

しかし、モノの大きさが『さわりて』の好みだった場合の対処法はあります。

『さわりて』はモノの“大きさ”が自分好みだったら、キュッキュッと2回ほど引っ張るそうです。

その時、すぐに『さわりて』に向かって

「お前が今持ってるのは鋭い鋭いカミソリだぞー!!」と叫ぶと良いらしいです。

すると、『さわりて』は驚いてモノから手を離し便器の中に引っ込んでいくそうです。

それが、モノの“大きさ”が『さわりて』好みだった場合に逃れられる、唯一の方法…らしいです。

とまぁ、こんな話です。

ところで、『さわりて』とは何なのでしょう。

トイレ系の不思議怪奇伝説は多くありますが、モノを握ってくるヤツなんてそういないんじゃないでしょうか。

『カミソリ』という言葉に反応するということは昔、カミソリとトイレでなんかあった人なんでしょうか。

謎は尽きませんね。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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