これは小学生のお話。前置きですがフィクションです。
古い校舎の教室でA君とB君は明日締め切りの工作に熱中していました。
すると外はすでに真っ暗。工作も出来上がり、帰ろうとすると廊下を青白い光が教室を通過して行きました。
「おいなんだ?今の光?
「さあ、わかんないよ。それよりもう帰ろう?こんなに暗くなっちゃって逆に気味が悪いよ。
「いや気になるなぁ。僕、見てくるよ。あっちは図工室の方角だな。
「やめなよ。僕は絶対行かないからね!帰るよ!
「いいさ。僕だけでも見てくるよ。
A君はB君を尻目にそそくさと帰ってしまった。次の日の騒動も知らず…。
翌日、クラス内では大騒ぎだった。B君が昨日から家に帰っていないというのだ。A君の顔が蒼白になる。
念のため、昨日の事もあり図工室へ単身、気になり行ってみることにした。
図工室には様々な表情の像があり怒ったり笑ったりなどのものだった。
空気が重い……。
半信半疑、少し怖さを感じながら図工室を見回す。すると一つの粘土像の頭に目が釘付けになった。悲しい表情をしたそれはB君に瓜二つだったのだ!
A君がそっと近づき……
「B君…………?」
と問いかけると、像の目から涙がこぼれた。
その後、放課後夕方になると誰もいないはずの図工室から悲しげな声で、
「帰りたいよぅ……」
と声が聞こえてくるという……。
いまだにB君は行方不明のままだ。
怖い話投稿:ホラーテラー Lさん
作者怖話