俺は戦場に来ている。
仲間の一人が手榴弾を投げるときに撃たれて,手榴弾が手元で爆発して、
腸が飛び出してくるのを片手で押さえて、苦しんでいる。
殺しても殺しても、後から後から敵が押し寄せてくる。
弾を浴びせれば、浴びせるほど、前より強い仲間が攻めて来る。
無限地獄に陥ったような錯覚すら起きる。
こんなはずでは無かった。まさか、戦争のプロがやられて、全滅するとは。
最後の一人の俺が撃たれた。弾は胸を貫通した。
これで俺も終わりだ。戦闘服は真っ赤に染まっていた。
10人は皆殺しになった。
俺は
外人部隊の兵士として、100000ドルで雇われた。
何も告げられず、戦地に送り込まれた。
飛行機を降りると、そこは砂漠と遠くには山が見えた。何処なのだろう?
記憶をたどるが判らない。これから戦うであろう敵の情報のミーティングが
行われた。敵の名前や敵の行動は一切話が無かった。
「これから、ジープで行く敵地において、敵を殺しまくり、町を開放する。
その後は、見方の兵士が来るまでの間、敵を見つけたら殺す。」
珍味大佐が話し終わると砂埃が舞う砂漠のヘリに乗り込み引き上げて行った。
10人の精鋭の外人部隊。しかし敵が誰なのかわからない
その怖さが俺の胸にあった。
10人を乗せたトラックは砂漠地帯から山岳地帯へと入った。
その間、俺は外人部隊に入る前のことを思い浮かべていた。
「ロビン一等陸佐。どうして射撃になるとふざけた撃ち方をする。」
上官から問い詰めらた。
俺は正直答えた。「動かない物を幾ら撃ってヒットしても意味がないヒー。」
そう言うと、銃を捨ててサッサと宿舎に引き上げた。
上官の命令違反。俺は10年勤務した自衛隊を追われた。
就職は難しかった。しかし、捨てる神あれば、拾う神あり
町のかなを酒を喰らいうろうろしていると、一人の男に声をかけられた。
男は海外派遣エージェントだった。
俺は、色々話を聞くうちに、外人部隊に入りたくなった。
ガム島にある海外支社に案内された。
俺に関する自衛隊での色々な書類が用意されていた。
そして、試験。銃の取り扱い方からナイフやその他の武器に関する知識が
実践された。俺は合格だった。
それよりもこれから、敵地で実弾を使い、
動く標的を撃つ事が出来る喜びを感じていた。
早くも実践を試す機会が訪れた。
町の至る所に、敵であろう頭や体が逃げ隠れして動いていた。
俺は自動小銃で撃ちまくった。敵は倒れ、
屋根から落ちる者その場で倒れる者
俺はまるで、PCゲームのように殺しまくった。
そして、気が点くと周りには俺のほかに
二人しか生き残りが居なかった。
俺は仲間3人と寄り添うように話した。
俺たちプロがこれだけ、死傷するとは信じられない。
これから、3人でどう戦えばいいのだ。
敵はまだまだ沢山要る。
どうすればいい。
マガヒツが応援を呼ぼうと言い出した。しかし、
「俺たちで何とかなると思ってこの町を制圧しによこしたのだ。
応援など来るわけがない。」そうロビンが言うと2人は黙ってしまった。
あんみつが俺の脇で、ささやいた。
「何かおかしくないですか?、あれだけ弾丸を浴びせたり、迫撃砲や手榴弾
を浴びせても、次から次に敵が現れる。
それにこの町並み。何処となく何かが違う。」
そう言うと、マガヒツが町の様子を伺い始めた。
あんみつがライフルを取り出した。「私が今からあの2階の家の窓から
頭を出し入れする奴を撃ちます。あなたたちはスコープで見ててください。」
そう言うと、あんみつはライフルで目標の標的を撃った。
玉は見え隠れする男の頭に当った。
後ろに脳みそが飛び散った。
「これからですよ。」あんみつがささやくと、
3人してスコープをその男の標的に向けた。
倒れて、5分何事も無かったように、起き上がり俺たちの要る塹壕に向かい
銃を乱射した。
乱射する銃弾を避けながら、
ロビンが話した「俺たちが今まで殺した敵が蘇り攻めて来る。奴らはロボットなのか?ヒー」
3人は、珍味大佐に通じるレシーバーで話した。
あんみつが話した「珍味大佐、敵は死なないです、幾ら撃っても、破壊を繰り返しても死なない。不死身です。」
珍味大佐は「そんなことは無い、敵は生身の人間だぞ」
そう言うと無線を切った。
あんみつが話した「これでは、何時か私たちも殺される。その時までここに居たらやられる。後退しましょう。」
そう言うとあんみつが後に下がろうとしたとき敵の銃弾が命中した。
転げ周り、ロビンの直ぐ脇で息絶えた。
「おいもうお前と俺しか居ないヒー。逃げても無駄だ。ここで迎え射ちするほか無い。」
そう言うとまた銃を敵に向け乱射した。
マガヒツが手榴弾を投げようとしたとき、敵の銃弾があたりマガヒツは転げた。その間に手榴弾が爆発した。腹を抱えるマガヒツ。もう終わりだ。腹が切れて腸がはみ出していた。「死にたくないよー」そうつぶやくと息を引き取った。
ロビンは一人で、弾がなくなるまで、無我夢中で撃ち続けた。
そして、気が点くと胸から鮮血が流れ出していた。
もう目が見えない。
もう終わりだ。敵がロビンの銃を奪い、深々とロビンめがけてナイフを刺した。
珍味大佐は賞賛した「イヤー秘密兵器のダミーは実戦でも使えますね。」
そう言うと、全ての電源が切られた。
町の至る所で、うごめいていた人が動きを止めた。
よもつ博士はおもむろに「一人当たり、どれだけ玉を浴びせられた。」
清水助手が答えた。「約200発ですね。」
「ダミーの数は50人です。予想以上の玉数です。」
珍味大佐は答えた。「ホーすごい銃弾だな?」
「さすがはプロの戦闘員だ。この事は、はる大統領に報告だ。」
「よもつ博士、すごい物を作り出しましたね。」
「イヤーまだまだ、200発も銃弾を浴びせられたのは、失敗です。
私の予測だと一人10発程度で10人を殺す予定でした。
稼動速度も遅かった。反省するところが色々ある。
予測装置の導入も検討しなくていけない。これからの課題が山済みですよ。」
そう言うと、よもつ博士と清水は、
「これから分析してダミーを人間以上に修正します。」
よもつの手に力が篭った。頭からは戦闘集積回路が取り出された。
ダミーの頭から血が滴り落ちていた。本物の人間のように。
作者退会会員
一度載せたのですが
消えてしまったので、もう一度載せます
オリジナルです。