住んでいた部屋はよく音がしていた
それはラップ現象というらしい
霊感などないのに
一人でいるのに誰ががいそうな…
なんとなく落ち着かない部屋だった
でも、所詮何も見えないから
引っ越す気もなく住んでいた
しかし1年過ぎたある日
それは目に見えるモノに変わり
風呂から出てリビングに戻ると
黒い何かがササッ!と部屋の隅に消えた
夜寝ると金縛りのような体に重みを感じ
金縛りが3日続いて
さすがにこれは変だと怖くなった
今夜も金縛りになったなら
絶対目を開けてやろうと
意気込んで寝た
来た!
重い…
目を開けろ…
今日こそ見てやるその正体を!
怖さを通り越し怒りが湧いたきた時
目を開けることができた
目の前にいたのは…
一瞬で消えたが黒い老婆のようだった
老婆が消えても怖さは消えず
そのあといつの間にか寝てしまい
朝になっていた
会社でそのことを話したら
『金縛りは仰向きで寝るからなるんだ』
金縛りにあったことがある奴が言った
それなら今度は
壁に向かって横向きで寝ることにした
金縛りにはかかってないが
夜中に不意に目が覚めた
やっぱり仰向きで寝るから
金縛りになるのかと考えていたら…
目の前の壁がうねりだした!
見ていたらそこから手が出てきて
顔を掴まれた!
一緒の出来事
その手は黒く焼けたようだった
この場所で昔火事でもあったのだろうか?
そういえば老婆も黒かった…
不思議とそれ以来
老婆も壁から手も出なくなった
何かを訴えたかったのかわからない
きっと訴えなど知らないほうがいい
それからそこを引っ越した
大家に何かあったかと聞かれたが
『いえ、仕事の関係で』
とだけ言って出た
大家はその何かを知っていそうだけど
面倒なことを抱えたくはない
半年ほど経ってその部屋の前を通ると
もう次の誰かが住んでいた
老婆はまた新しい住人の前にも
姿をあらわすのだろうか?
気にはなるが
よく考えればそんなことは
よくあることなのかもしれない
この人は受け入れるかどうかを
奴らは試しているのかもしれない
今回の出来事で感じたことは
心が揺れたら負け。
そんな気がした
作者ミッチー-2
ほぼ実話なので、それほど怖いオチはありません。日常に潜む誰でも起こりうる話だとしたらそれはそれで怖いかもしれませんが…