これから読まれる皆様へ
実話ではありますが私にとってはよくある事であり、怖い要素は全くありません。
心凍るような怖さを望まれる方は読まずに次の怖い話へ進まれる事をお勧めいたします。
nextpage
separator
私は通勤や買い物・食事に出掛けるなど、ほぼ毎日のように自分の車を運転しています。
今の車は免許を取得してから3台目で、新車で購入し今年で6年になります。
nextpage
焼き肉屋に行った帰りには車内が焼き肉の匂いがしたり、買い物で揚げ物を買えば油の匂いが…。
ネギやニラ・セロリなど香りの強い野菜を買えばその匂いがします。
nextpage
今はそうですね…こちらは雪国ですから、フロントガラスの曇りを取るためにエアコンを最強にして走るので、あっという間にそれらの匂いが広がる訳です。
nextpage
しかし、車というものはいつ誰を乗せるかわからない。
自分だけなら我慢は出来るが、急に連絡がきて家族や知人・恋人…などなど。
私の場合は恋人は有り得ませんけどね…えぇ…。
nextpage
とにかく、ラーメンやら油やネギ臭い車には乗りたくないだろうし乗せたくないので『無香料の消臭剤』を置いているのです。
nextpage
私自身は汗のかかない仕事をしていますが、かなり近付かないと分からない程度の香水を使っています。
年齢も年齢ですから…誰かに気遣う事は決して悪くは無いと思って身に付けている程度です。
separator
今の車に乗ってからというもの、運転中ふと車内に存在しない香りが漂う時が度々あります。
それも走行中や駐停車中と時間や場所に関係なく、あたかもたった今誰かを乗せたかのように急に。
nextpage
香るものは自分が纏っている香水のみで、その香りとは全く異なる明らかに人工的な香りなのです。
その急に漂った香りは時には男性的であったり、時には女性的であったり。
稀にご年輩の方が使っていそうな香りの時もあります。
nextpage
とにかくバラバラなのです。
一つ言えるのは車内には私一人であり、当然の事ながら車の周りにも誰もいない。
走行中なら尚更有り得ない話なのです。
そして気付けば香りが無くなっている。
無くなるまでの時間もバラバラ。
nextpage
消臭剤が臭いを消すには少々速過ぎる時間ですし、自宅まで香り続ける事はありません。
初めて経験した時は心の底から焦りましたよ。
nextpage
『は?何故?どこから?』
nextpage
窓を開けても香りはしませんし、その香水は車載してないどころか持ってすらいない。
もう気になって気になって仕方がありませんでしたが…。
さすがにこう度々あると慣れるものです。
nextpage
終いには『今日は男性だな』『今日は女性だな』なんて考える余裕すら出てきました。
nextpage
ただ、口に出さないようにはしています。
あくまでも『気付かないふり』を決め込むのです。
なんとなくですが、人間関係と同じで露骨に態度に表してはいけないような気がして。
nextpage
どこのどなたかは知らないが勝手に乗ってきて勝手に降りるという、身勝手極まりないものですが、香り以外は実害が無いのですから『またか』ってぐらいにしか思わなくなったのです。
nextpage
ただ一度だけ、縁遠くなってしまった知り合いが身に付けていた香水の香りがした時はさすがにビックリしましたよ。
その方は今もご健在でいらっしゃいますけどね。
separator
こうやって徒然と書いておりますが考えようによっては、お線香の香りや血液の匂い・死臭などという「いかにもそれらしい匂い」よりはマシなのかなぁと思うのです。
nextpage
姿が見える訳でもなく、ただ香水のような香りだけの同乗者に『まぁいいや』ぐらいにしか思わない私は鈍いのか阿呆なのか…単なる変わり者かもしれませんね。
nextpage
因みに、変わったお客様(?)を乗せるようになってから事故を起こすようになった…
nextpage
などという事柄は今まで全くありません。
免許証も未だゴールドを更新中です。
nextpage
さて…
nextpage
…
nextpage
…あなたは本当に一人きりで車に乗っていますか?
作者Toro
初めて投稿させていただきました。
稚拙な文章で申し訳ありません。
こちらで皆様の作品を読ませていただいておりますが、こうやって自分で書いてみると本当に難しいものですね。
ただただ尊敬するばかりです。
これからも宜しくお願い致します。