中編3
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かくれんぼ

これは去年の夏ごろに体験した話です。

学生で夏休みに入っていた私は友達(A)の家にBとCと泊まりにいきました。昼から行きダラダラとスマブラやマリカー等のゲームをしながら過ごし、夜になるとホラー映画を観て遊んでいました。夜の2時をまわった位だったでしょうか急にCが外に出掛けようと言い出しました。

退屈だったので皆もそれに賛成し、近くの運動公園に行くことになりました。

15分位歩いて公園に着いたときには当然の如く人は誰もおらず、広い公園は薄暗くとても涼しかったのを覚えています。最初は四人で走り回ったりして遊んでいたんですが途中でかくれんぼをしようと言う話になり、AとBが以前別の友達とかくれんぼしていた奥の林まで行くことにしました。林の手前で鬼と隠れる方にじゃん拳で分かれ、私とCが鬼、AとBが隠れる事になりました。林の手前の遊具がある場所で私達二人は雑談をしながら待っていると隠れている二人から隠れたとのラインが届き、探しに行きました。林の方は灯りが全然なく、二人のスマホでライトを照らしながら砂利道を進んでいきました。

歩く度にジャリジャリと音を立てるのが少し怖く、早く見つけ出そうと早歩きで探していると公園の公衆トイレから水を流す音が聞こえてきました。1回でなく何回か流す音が聞こえてき、近くに行くとどうも女子トイレで水が流れているようでした。

私達はAとBがイタズラでやっているんだろうと思い女子トイレの入口から呼び掛けました。「おーい、A~、B~、いるんだろ?女子トイレに隠れるとか変態かよw」しかし中からは何も返事はなく電気も何もついていない状態でした。何回か問いかけをしても返事がないので痺れを切らしたCが「二人とも入るぞ?」と言いながら中に入ろうとした時、「清掃の方ですか?」と低い男の声が聞こえました。友達二人と違ったことで焦り、「い、いえ違います!」と言い慌ててトイレから出てAとBにラインで何処に居るかを聞きました。

結果としてはトイレから少し離れた草むらに隠れていたんですが私達二人は先程の出来事でパニックになっていたので直ぐにAとBに事情を話しをしました。AとBは面白がって見に行こうと言い、私も何だったのか確認がしたかったので反対するCを説得し先程の女子トイレに向かいました。女子トイレは相変わらず真っ暗ですが水を流す音はもう聞こえておらず。AとCが中に入ると閉まっていた個室は開かれていました。AとCはサラリーマンがトイレしててもう出ていったんじゃない?と言いましたがどうも納得がいきません。

確かにトイレにサラリーマンが居たとしても不思議では有りませんが、トイレから出たなら水を流した音とトイレの外の砂利道の音で分かるハズです。私達はトイレからそれほど離れた位置で探していたので聞き漏らすことはないと思います。何よりあんな時間にあんな人気のない場所で、しかも電気つけずに用を足す人が居るのでしょうか?

その事をAとBに伝えるとかくれんぼは中止になり、そのままAの自宅へ帰ることになりました。帰る途中に話をしていたんですが、仮にあれが幽霊にしろ生きた人であれ、どっちにしろ怖いという話になりました。

Concrete
コメント怖い
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