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この話は大学時代の同じサークルの女子の話です
当時大学3年生だった彼女は上京して アパートで一人暮らしをしていました
普段の通学路とは別に サークルでの集まりがあった時には
別の道を使ってました
軽自動車での通学だったため 本人は通学中に変なトラブルに会うことはなかったそうです
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しかし
ある日の夜 深夜2時ごろ
あるコンビニを右に曲がって1キロほどのところで
押しボタン式の信号が赤に変わったため止まりました
すると 60代くらいの長身のおじさんが歩いてきて
窓をノックしました
窓を開けると低い声で
「○○病院どこかわかりますか?」
と聞かれました
彼女はその病院を知っていましたが 答えると面倒かもと思い
「すいません わかりません」
と答えて
信号が変わったと同時に車を走らせました
その時は「深夜に変な人だなあ」
ぐらいにしか思ってなかったそうです
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しかしまた違う日
同じ信号に引っかかり あの男が現れました
「○○病院どこかわかりますか?」
「すいません わかりません」
また同じくその場を立ち去りました
そしてまた違う日
同じ信号に引っかかり
「○○病院どこかわかりますか?」
「すいません わかりません」
3回目になれば 彼女もおかしいと気付き始めました
「もしかして私の車を待ち伏せて わざと押しボタンを押してるの?」
そんな気がしていたそうです
警察の不審者情報に通報しようかと思ったけど
聞かれていることは「○○病院どこかわかりますか?」
これだけ
たしかに深夜2~4時にあんな場所にいるのはおかしいけど
変なことを言ってるわけでもなく 自分が不親切なところもあるので通報するのはやめました
サークルのみんなに
「毎回同じ信号で不審なおじさんに絡まれるんだけどw」「ヤバイw」
とグループラインではその話をしていました
サークルのみんなも「ストーカーじゃない?」「てか自分で探していけばいいのに」
「今度は教えてあげたら?w」
とか結構盛り上がってました
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そして後日
案の定また同じ信号に引っかかりました
そしてあの男が出てきて
「○○病院どこかわかりますか?」
「(またか・・・)」
わかりませんと言おうとしたその時・・・
「(あれ・・・?この人の影なくない・・・?)」「(あっ・・・)」
その時は怖いというより「なるほど」と思ったらしいです
「何回も聞かれても困ります わかりません」
そう答えてその場を立ち去りました
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グループラインには
「ヤバイwあの不審おじさん影無かったw」「幽霊確定」
と投稿
「え~w」「それマジ?」「やばくない?」とみんな大騒ぎ
サークル内ナンバーワンの話題になった不審おじさんの話題は一瞬で学部中に広がりました
「怖いね~」「私今日一人で帰れないかも」
そんな話ばっかり聞こえてきて 一躍有名人
「もしかして他にも同じ体験した人いるんじゃない?」とある女子が提案
これを機に同じ人はいないか大捜索が始まりました
するとある学部の男子が「〇〇さんがたしかその近くに住んでて アパートにも行ったことがある」
と言っていました
これは話してみようということになり サークル4名ほどでその女子と会うことになりました
あの道はしばらく通りたくなかったので大学内で会うことになりました
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そしてその子に「実は~」
と話をすべて話しました
するとその子はどうも納得言ってないような顔をして
「それ本当?」
と聞き返しました
嘘だと疑われてムッとした彼女は思わず
「当たり前じゃん」と言いました
その子は「その話 〇〇町のほうに向かって あのコンビニ右に曲がって入るあの道?」
と聞き返しました
「うん」と彼女
するとその子の表情が曇り顔色がちょっと悪くなりました
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「あの道に信号なんかないけどなあ・・・」
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そう言われた彼女は衝撃を受けて
サークル仲間と一緒にその場所を目指して車を飛ばしました
ちょうど日が暮れて暗くなったごろ
その場所につきました
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そこには信号なんかなく 古びた電柱が2本ありました
そのおじさんが現れた側の電柱に
枯れてくたびれた花束が
ひっそり佇んでいました
作者モルハイネ
読んでいただきありがとうございました