深い眠りの中で私は霧に包まれていた。霧の中で私は女に出会った。見てくれはまるで神社の巫女さんだった。
「あなたは何故ここに来てしまったの」
女は物悲しい表情で私にそう語りかけた。
来るも何もここは私の夢なのだから、言っている事がよくわからない。
「あなたは生きなさい」
そう言うと女は消えた。
目が覚めるとガードレールの下の崖にペシャンコの車と横たわっていた。
身体が痛い。どうやら事故を起こしてしまったようだ。
ふと横を見ると、小さな子猫が1匹。
とても品の良い真っ白な猫だ。猫は血まみれだった。私が車で撥ねてしまったのだ。
傷だらけの猫は言った。
「あなたは生きなさい」
作者犬