帰り道。
携帯電話が鳴っていることに気づいた。
見ると知らない番号。
とりあえず、電話を取る。
nextpage
「どちらさまでしょうか?」
「・・・予約を承りました。」
一言、ぷつりと切れてしまった。
nextpage
「はて」
しばし路上で首を傾げていると、
shake
どん
体に強い衝撃が走り、目の前が暗くなった。
separator
気が付くと、
私はレストランの待合席のような場所で座っている。
見渡すと、自分の後ろにも、
まばらではあるが何人か座っているようだ。
nextpage
「ご予約の有原様でしょうか?」
有原とは確かに私のことだが、
レストランなど予約した覚えはない。
nextpage
「いいえ」
「左様でございますか。
では、お出口はあちらになります。
またのお越しを」
nextpage
案内をされた出口を出た。
外は真っ暗で何も見えない。
慌てて振り返ると、今出てきた扉もない。
とたんに怖くなって、目をつむってその場にうずくまった。
まぶた越しに光を感じた。
separator
ゆっくり目を開けると知らない天井が目に入ってくる。
視界の端ではナースが、慌てているのが見える。
医者が私の診察を終え、一段落ついたところでナースから話を聞くと、どうやら私は車に跳ねられ、10日間意識不明だったという。
nextpage
ふと携帯電話の着歴をみると、
10日前に知らない番号からの着信を見つける。
nextpage
はて・・・。
確か予約を承ったとか言ってたな・・・と、電話の内容を思い出す。
「ああ、と言うことは、あの待合席は・・・」
nextpage
ところで、誰が私を「予約」したのだろうか。
作者ma-2
引用元:http://toro.open2ch.net/test/read.cgi/occult/1395834994/l50
オープン2chオカルト板から引用させていただきました。