wallpaper:1710
僕の地元は花見の名所があります。
その季節になると毎年お天気お姉さんが現れたりするものです。
nextpage
となるとやはり人でごった返すものでして落ち着いて花見なんてのも出来やしません。
ただ少し行ったところに花見の隠れた名所があるんです。
nextpage
隣駅の霊園の入り口です。
ここで花見をする人間はあまりいませんでした。折角の綺麗な花を見ても、視界にチラチラ入る墓なんて見たく無いですから。
nextpage
その場所で私の家族や、家族ぐるみで仲のいい同級生の家族達で花見をしてました。
僕を含めた子供達はゲームボーイをしたり鬼ごっこをしたりして遊んでました。
nextpage
「あのおじさん、はかがないんだって!」
そのうち一人の子がそう言い始めました。
大人達は見なくていいと言い、気にせず盛り上がる様にしてました。
そのうち一人の大人が言いました。
nextpage
「墓が無いぐらいが花見は丁度いいんだ。桜の季節なんてもんは儚ねぇもんさ!」
なんて言って笑いをとってました。
nextpage
後日、歯がおられてる人骨が桜の下から出るまでは。
作者時
実話をもとにしたフィクションです。
コメントや評価をお待ちしてます。