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短編2
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オルゴール

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僕の実家は以前、マンションにありました。以前と言いますからには今は違うのですが、そのマンションのお話。

僕が産まれてから5歳くらいまでそのマンションで過ごしてました。出来事は引っ越す1年前ぐらいから起こりました。

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僕の家はマンションの3階にありました。マンションの隣にはお墓。マンションの階段からお墓が見える様な、そんな位置にありました。

それが影響してるのか、度々変な事が我が家では起こりました。

誰かが通ったのにだれもいない、なにもないところに動物が吠える、玄関のセンサーライトがなにも通ってないのにつく等。

その当時は怖いものの概念があまりなかったので夜中にトイレに行く時に勝手にライトがついてくれてラッキーとしか思わなかったこともあります。

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そんななか、幼少の頃にも怖いと思った出来事がありました。

両親の結婚記念の電子オルゴールが勝手に鳴るのです。

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てーんてーんててーん

てーんてーんててーん

てーんてーんててーんてーんててーんてーててーん

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このメロディが僕は苦手だったのでしょう。母に何度も止めてもらった記憶があります。

同時期に祖父の体調が悪くなり始めました。あまり関係性はないと思ってましたが大人になって振り返ると同じ時期だなぁと思うくらいです。

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オルゴールの方は依然鳴り続けました。

電子オルゴールが劣化し始めたのかメロディがゆっくりになっていきました。

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でー…んで……で…で…ん……

で…でで…んー

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ゆっくりになると音も割れて低くなってきて流石に両親も電池を抜きました。

ただ、両親の結婚記念のオルゴールなので上に両親のフィギュアがのっていたのでそのまま飾っていました。

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そのすぐ後、祖父の容態が悪化しすぐに亡くなってしまいました。

葬式かお通夜か、どちらかに行く際に僕はマンションの階段を駆け降りてホールに出ました。

その際、お墓の中に白い服を着た女性?の様なものがいました。遠目なのと記憶が古いのとで正直曖昧ではあります。

その頃の僕は怖いとはあまり感じませんでした。

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その帰り、マンションの階段を駆け上がるとやはりお墓の中に白い人がいました。

今度はこっちを眺めながら笑っています。声を出して笑う様な感じではなく、ニヤニヤ歯を見せる様な笑いです。

さすがに怖くなり両親と一緒に家に帰りました。

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てーんてーんててーん

てーんてーんててーん

てーんてーんててーんてーんててーんてーててーん

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玄関を開けると電池を抜いたはずのオルゴールが、

鳴りすぎて劣化していたはずのオルゴールが、

綺麗な音を出していました。

あれ以来オルゴールは見ていません。

ただ実家の物置から時々音が聴こえる気がします。

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てーんてーんててーん……

Concrete
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