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地元のホテルで体験した出来事です。
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当時小学四年生だった俺は、父の友人が経営をしているホテルに父と一緒に定期的に遊びにいっていました。(泊まるわけではなく、コーヒーを飲んで帰る程度)父が友人と話しているあいだ、俺はホテルの中を探検したりジュースを頂いたりしていました。
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そんなある日、ホテル内を探検していた時の事です。なんとなく、「屋上とはどんな場所だろう」と思い屋上までいってみることにしました。エレベーターに乗り、表示されている最上階のボタンを押しました。
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到着し扉が開くと、違和感を感じました。その階の廊下は、電気が何故かついておらず、非常口の表示灯の緑の光だけが点滅していました。緑の光だけで照らされた廊下はとても不気味でしたが、
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ドラマの中でしか見たことのない屋上への好奇心とワクワクの方が勝り、エレベーターから降りました。
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そこで気付いたのですが、エレベーターはまだ最上階についていなかったのです。エレベーターに戻ろうとしましたが、すでに扉は閉ざされ下にむかっていました。この階に留まりエレベーターを待つのは嫌だったので、仕方なく二段飛ばしで階段を駆け上がりました。
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そこで再び違和感をおぼえました。既に3階は登ったのに、まだ屋上への階段が見えません。そもそも、このホテル外からみた感じではそこまでの高さがあったようにはおもえません。もう1階のぼってみましたが、やはり屋上へのかいだんは現れず、薄気味悪い廊下があるだけです。壁には「9階」の文字が。
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ふと、廊下の奥から視線を感じ目を向けると最奥に台の上にのった市松人形がこちらを見ていました。
なんだか目があっているようなきがして、とてもきもちが悪かったのを憶えています。その人形から目を離さないように、そのままあとずさってエレベーターのボタンを押しました。エレベーターが到着するまでの時間、目を離したらなにかまずいことが起きるようなきがしてずっと人形がら目が離せませんでした。
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ロビーに着き、受付のお姉さんになぜ5階から上の階は電気がついていないのか、そしてあの薄気味悪い市松人形はなんなのかを尋ねました。するとお姉さんは不思議そうな顔をして「このビルは5階までだよ?」といいました。「え、でも9階まで行ったけど・・・」と俺がいった瞬間、内線が鳴りお姉さんが受話器をとりました。「はい、こちらロビーです。・・・はい?あ、切れちゃった・・・なんだろ『めをはなしてくれたらたべたのに』だって。」
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あの時めを離していたらと思うと、いまでも寒気がします。
作者しゅう
小学四年生の時にまじで体験したことです。
いま思い出しても怖い・・・