これは私が初めて体験した怖い出来事です。
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私は毎年決まって初詣には地元で大きな神社にお参りに行っておりました。
その年は仕事が忙しく、初詣と言っても初春の4月頭に漸くお参りに行く事が出来ました。
いつものようにお参りをし、おみくじや御守り等を買って帰るだけの普通の参拝をしておりました。
ただ一つだけ違ったのは、厄除けのお祓いか何か分かりませんが、一組の家族が神主さんらしき人から祈祷を受けているのを見掛けました。
いつもは正月位にしか来ないので、初めて神社らしい光景に少し見惚れておりました。
大して変わらない光景に飽きたので、特に何も気にせず家に帰りました。
そんな事も忘れ普通に生活していたある日の夜、私は人生初の金縛りに遭遇しました。
その日はオレンジ色の小さな電気だけを付け、テレビを見ながらベットで寛いでいました。
急にテレビの音が聞こえなくなり、アレ?と思うのと同時に身体が全く動かなくなりました。
初めての金縛りに混乱し、脳内では手足をバタバタしているのですが、本当に身動きが取れません。
金縛りと言えば足元から女の人が這い上がって来たり、見える範囲で白い顔が見えたり…と色んな情報がグルグルと頭を過ぎったのですが、私の場合は全く違いました。
目の前にバレーボール位の大きさの二匹の魔物?の様なモノが現れたのです。
悪魔の使いの様な、本でしか見た事無い様なモノが、一匹はベットの縁に、もう一匹は私の胸元の前辺りに現れました。
何が起こっているのか、何が見えているのか全く理解が出来ず、混乱ばかりするのですが相変わらず身体は動きません。
ベットの縁にいるヤツは背中?を向けているのか顔みたいなモノは見えません。
胸元辺りにいるヤツは、ナウシカのオームが出す様な触手を私の顔目掛けて延ばして来ました。
私は一気に恐怖に落ち入り、絶対に触られたくないと思い切り抵抗しようとしたのですが、金縛りは全く解けません。
もう触られると覚悟した時、頭の中で直接響く様なとても低く、尚且つエコーの掛かった声で『まだ判らぬのか…まだ判らぬのか…』
と声が響いて来たのです。
何なの?とパニック上乗せした私は目の前の状況と声の主に全く心当たりがなく、本当に泣きそうでした。
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どれだけ時間が経ったのか、其れともほんの僅かだったのか、気がつくと声は消え魔物らしきモノも薄くなり消えて行きました。
テレビの音が聞こえ始めてやっと身体の自由が戻りました。
初めての金縛りと初めてのオバケ?を見てしまった私は疲労感からか、そのまま朝まで眠ってしまいました。
翌朝昨日の事は夢だったのかも、と思いましたがリアルに残る記憶と頭の中の声の記憶がやはり現実だったと思い知らされました。
生まれてから一度も体験した事のない金縛りに思い当たる事が無く、『まだ判らぬのか…』と言う声の意味も今だに分かりません。
神社でやっていた祈祷の様な事…あの時何か私に憑いて来てしまったのでしょうか?
あれから何年か経ちますが、一度も金縛りや幽霊の類いは見た事がありません。
あの神社にもそれ以降一度も行っておりません。
もう一度行ってみたら答えが出るのでしょうか?
作者退会会員
実体験なのて全くオチ等無いのですが、今だに何だったのか分かりません。
身内に不幸があるとか、大きな病気をする等の事もありません。
あの声の主が何を判らせようとしていたのか本当に謎です。
金縛りの人違いってあるのでしょうか?と思える位不思議な出来事でした^^;