wallpaper:155
これは、小学5年生の野外学習で体験した話です。
私の学校では毎年、野外学習で肝試しをすることになっていました。
私の年ももちろん行いました。
あんな体験をするとは知らずに…。
nextpage
野外学習の前日は仲の良い私を含めた3人のグループで寝ている時に抜け出そうとか色々なことを下校中に話していました。
野外学習当日、バスで2時間くらいのところに宿泊先がありました。バスの中ではみんなウキウキが止まりませんでした。
nextpage
昼は山を登って道を歩いてのウォークラリーで汗をながしました。
日が落ちてくると、食堂でご飯を食べ、みんなでワイワイしていました。
いよいよ、8時を過ぎ毎年恒例の肝試しをすることになりました。
nextpage
はじめは、みんなでウォークラリーのときに登った山を登りました。
山頂では話が上手い先生が怖い話をして、みんなを脅かしていました。
私のグループはもちろん、いつもの3人組でした。
nextpage
私のグループは20グループあって、15番目に下ることになっていました。
でも、実際はじまってみるとはやいもので、あっという間に自分達の番が回ってきました。
最初は俺についてこいよとか調子のいいことを言っていましたが、怖くなるとそんなこと言ってられません。
nextpage
気付いたら3人で手を繋いで下っていました。
昼間ウォークラリーで登った道とはいえ、夜になると不気味でとても怖い雰囲気でした。
しばらくして真ん中くらいまできたところで、なにかボソボソと聞こえてきました。
「おい、何か言ったか。」
「言ってねーよ。やめろよ。空耳だろ。」
そのときは私の空耳かなと思いました。
nextpage
shake
しかし。
次ははっきりと、
「私たちも混ぜて。」
と聞こえました。
これはさすがに2人も聞こえたようで怯えていました。
nextpage
このままではまずいと思い私が
「おい!」
と2人に呼びかけ、2人もハッとして、3人で手をつなぎながら全力で走って下りました。
どのくらい走ったかわかりませんが、明かりが見えてきました。やっと下りられたのです。
nextpage
生徒も先生も、私達のことを何があったんだみたいな目で見ていました。それもそのはずです。ずっと手をつないだままで泣いているのですから。
私達は安心して、腰をぬかしてしまいました。
そこで3人同時に一言。
nextpage
はぁ。俺が真ん中で良かった
作者めーめー