短編2
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般若の人

TとK、二人の友人の話です。

ある日、Kが職場で心臓の発作を起こしてしまい、一時生死の境をさまよったのです。

その後、数日間、病院のICUに入り、昏睡していたKを心配したTが見舞いに行ったそうです。

変わらず眠り続けるKを見舞ったのち、病室を出たTは一人の男性と会いました。

その人は妙に不思議な雰囲気を漂わせていたそうです。

年配の男で、背が高く、顔が『般若』のようないかつい形相で、どこか異質というか、その気配そのものがおぼろげというか。。。 

とにかく、ただならぬ気配の人物だったのですが、不思議と怖い気はせず、自分と同じく見舞いに来た親族か知り合いの誰かなんだろう、と思ったTは軽く挨拶したそうです。 

男は一言も発しなかったのですが、Tの呼び掛けに気付いたようで、一礼し、そのままお互い言葉も交わさず、Tは病院を後にしました。

去り際、ふりかえると男はKの病室の前にただジッとたたずんでいたそうです。

その後、Kの容体は奇跡的に快方に向かい、退院したのですが、ある日、Kが占い師だか易者だかに見てもらったところ、

『貴方には強い守護霊様がついてます』と。

その風貌は、般若のような顔をした背の高い男性。

後に偶然その話をした2人によれば、聞けば聞く程に、話せば話す程に、あの日、病院でTがすれ違った不思議な人物の佇まい・そのままだったそうです。

『守護霊が守ってくれてたんかな〜?』と、2人ともに驚きを隠せなかったそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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