短編1
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惜別

私の小さい頃からお世話になっていた近所の病院の院長先生がいました。

父も医者で父の師匠でもあり尊敬する人でもありました。

70歳越えても元気なおじいちゃんでした

しかし体調を崩し検査の結果

末期癌とのことでした。

父の勤める病院に入院するも病魔には勝てず静かに息を引き取ったそうです。

その先生(本田先生)のお葬式で聞いた話なのですが

奥さんが重度の痴呆症で生活もままならず

本田先生の病院の5階の病室に入院させて

家にもほとんど帰らず

看病していたそうです。

本田先生が亡くなられた日の夜

その病院のエレベーターが

1階から5階を誰も乗っていないのに

ずっと行き来していたそうです。

本田先生が奥さんに別れの挨拶をしにきていたんだそうです。

怖い話投稿:ホラーテラー ぴょんさん  

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