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短編2
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死神の追跡

三日前から…私はある男に尾行(?)されている

男の顔に見覚えはない

いつも黒のスーツ姿で髪はオールバック、細身で異常に眼光の鋭い男だ

気付いたのは三日前の朝、自宅を出てすぐだった

駐車場が家から二、三分歩いた所にあったのでいつも通りそこまで行く…その途中

後ろから視線を感じた気がした

チラッと見てみると

スーツの男が二、三十メートル位離れた所から

電柱の後ろで体を半分だけ出してこっちを凝視している…(あれは…隠れているつもりなのか…?)

気味が悪かったので足早に駐車場まで行って車に乗り込んだ

その時はあまり深く考えなかったが、会社の前、営業先、昼食先、と所々で男を目撃した

流石に気味が悪く、妻に相談しようと思ったが最近は残業続きで帰りが遅い

妻とはすれ違い気味の生活になっていた

誰にも相談出来ないまま時間は過ぎ…私は軽くノイローゼ気味になっていた

スーツの男に…見られている…

時に電柱、木陰、向かいの建物の中から…四六時中だ

三日目、ある事に気付いた…男が…近付いて来ている?

初日とは確実に距離が違う…

恐怖と同時に…ある仮説が浮かんできた…

あのスーツの男…私の事を殺そうとしているのでは…?それで執拗に尾行していたのでは?

そう思うと私は手足に痺れを感じ、小さく震えた

不安を抱えたまま営業先を回っていた

車を走らせて少し経った頃、何気なく後ろの車を見た…

背筋に冷たいものが伝った気がした…

スーツの男が…運転していた…

しかも…何だか笑っている…?

パニックを起こした私はアクセルを一杯に踏み、勢いよく車を走らせた…

その先が急カーブだとも知らずに……

車は大破…薄れゆく意識の中、私は悟った…あの男は死神なのだと

死の追跡から私は逃れられなかったのだ…

意識はそこで途絶えた

その少し後…スーツの男はある女性と話していた…

スーツの男「旦那様は白ですね…帰りが遅かったのは残業の為です。浮気ではないです。」

ホッと胸をなでおろす男の妻

妻は夫の浮気調査を依頼していた

スーツの男「良かったですね。ただ…注意力が散漫な所があるようで、いつもソワソワしている感じだったので車の運転などには気を付けた方がいいですよ。……そういえばさっきの事故すごかったなぁ…」

妻「ありがとうございます。やっと安心できました。」

プルルル…プルルル

電話が鳴る…

怖い話投稿:ホラーテラー 独りさん  

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