『舞子ちゃん……落ち着いて聞いてね……??』 「??はい」 『晃が……晃が……トラックと正面衝突して……病院に搬送されたって……』 は??何言ってんの??晃とさっきしゃべったよ??晃は生きてるよ??「……でっ…でもっ、さっき晃から電話がきたのに……」 『え……??』お母さんからの話しによれば晃は約一時間前に事故にあったらしい。
私は信じられなかった。
晃から電話がかかってきたのはついいまさっき。
私は病院の名前を聞いて、タクシーでむかった。
医師には 助かる確率はない。
息があるのもあとほんのわずかだろう…………親族を呼んでください。
と晃のお母さんにいったのだという。
病院について、まのあたりにした晃の無惨な姿をみて、私はシーツに顔をふせて泣いた。
泣いたどころじゃない。
泣き叫んだ。
晃のお父さん、お母さん、お兄さん、妹さんも泣いていた。
私はまるでドラマをみているような感覚だった。
現実が空想かの境目がつかない。
ピッピッピッと晃の鼓動を波打つ電子音。
その音と私の泣き声だけが、部屋中に響いた。
「バイク乗せてくれるっていったじゃん……夏には海とか夏祭りでおもいっきりはしゃごうって約束したじゃん………なんで……??ゆびきりげんまんしたじゃん……お願いだから………いかないで……」私が そういった時だった。
「…………ま………い…………こ…………」かすかに晃が私の名前をよんだ。
「晃!?私だよ??舞子だよ??わかる??ねえっ!!」晃は少しほほえんでうなずいた。
そして私の前に傷だらけの左手を差出し、ゆっくり小指をたてた。
私は涙だらけの顔をタオルでふくと、晃の震える小指に自分の小指を絡めた「ゆ……び……きり…………… げんま……………う……そ………つ………い………た…ら…………は……り………せ……ん…………ぼ………ん…………の………ま…す……………ゆ……び………きっ………………」晃がかすかな声で歌った。
その直後だった。
私の小指から晃の小指がはなれた。
ピーーーーーーーッ………………大きな音で電子音の音が鳴り響いた。
「あき……ら……??ねぇっ??何??いたずら??起きてよ………」また私の顔は涙でいっぱいになった。
桜が咲き誇る暖かい日だった。
…………………………晃が死んで半年がたった。
私は、急いで高校にむかっていた。
「舞子!!」後ろから声がした。
私はびっくりして後ろを振り向く大きな桜の下に晃がたっていた。
笑顔で私に手を振る。
私は涙ぐみながらも、晃にてをふりかえしていった。
「またねっ!!晃っ!!ゆびきりげんまんっ!!」
怖い話投稿:ホラーテラー 舞子さん
作者怖話