俺の町には都市伝説がある。
良くあるベタな、
深夜○○坂を通ると、
誰かが走って居る。
それを追い抜くと殺される。
と、言うものだ。
しかし、
そこは俺のランニングコースだった。
誰にも譲れない。
だから俺は万が一の為、
【装備】をいつもして居る。
はっ、ハッハッハッ…
荒い息をしながらその日も走って居ると、
後ろから誰かに追いかけられる。
!?!
まさか噂のアイツ?!
後ろの奴はハイペースで走り、
俺にもう少しで追い付きそうだ。
ハッハッハッ…
男らしい、
息の音がすぐ後ろで聞こえる。
後一メートル、
30センチ…
ハッハッハッ…
ー追い抜かれた!
そいつが何が行動に出る前に、
俺は素早くジャージの内側に仕込んで置いた
ナイフを取り出すと、
男の脇腹目掛け突き刺した。
『うっ…』
男が苦しそうに呻くが
正当防衛だ。
この通り魔め。
いつもの調子だと
この男も放って置けば死ぬだろう。
男を足蹴にすると、
俺はまた走り出す。
走り出してから今日まででもう32人目だ。
通り魔に襲われかけるのは。
朝のニュースでまたランニングコースで
死人が出たのを確認する、
やはり俺が走って居た時間に、
通り魔が居たらしい…
どうやら始末したアイツ以外に、
通り魔が居たらしい。
危ない危ない。
警察は何をして居るんだろう、
早く犯人を捕まえてくれ。
俺はいつも俺の身を守ってくれる
ナイフを磨きながら呟いた。
怖い話投稿:ホラーテラー とちおとめさん
作者怖話