僕の部屋は壁が薄いためか、となり主の声がよく聞こえてきていた。
「ねえ、まだ行かないの?」
「行かないさ、だって君のことが好きだからさ」
リア充めとぼくは嫉妬しながら黙って湯呑を飲んでいました。
次の日、再び聞こえてきました。
「ねえ、となりのヒト、生きているのかな? 昼間ぜんぜん合わないのよね」
「そうだね、もしかしてとなりの人は幽霊なのかな?」
なんでそんな話になるのやら。
ぼくは夜勤なのさ。
夜勤なんだから昼間に外に出るなんてあまりないことだ。
別の日、再び聞こえてきた。
「今日、変な人を見かけたんだ」
「変な人?」
「そう、無愛想でこわばった目つきで私を睨んでいたのよ」
「うわーたしかに変な人だね」
「でしょ。私は通報してやったわ」
なんだかとても最悪なことをしでかしたような会話だった。
不気味とか変とかで通報とか、ありえない話でしょう。
さらに別の日、ちょうど休暇がもらえたので、昼間買出しに出かけると、ちょうどとなりの人と出会った。
「こんにちは」
「こんにちは」
元気そうなおばさんだった。
翌日、その元気なおばさんは顔を真っ青にして引っ越していった。
何に青ざめたのかわからなかったが、その答えは直ぐにわかった。
作者EXMXZ
回答や挨拶などはほとんどできない状況にありますので、申し訳ございませんが
回答は読者さんたちにお任せします。
分類としては「意味が分かると怖い話」に入ります。