最近、とても嫌な気配がするようになった。
基本的に、夜に嫌な気配は多く感じる。
背中を冷たい死人の手で撫でられたような、ぞわりとする、悪寒のような気配。
今日も一日をいつも通りに過し、眠りについた。とてもジメジメとしたイヤな夏の夜だった。
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部屋の障子をぼんやりと見つめながら、暑苦しさで顔を歪めていた。
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と、その時。
体が動かない。
痛みもなく、何かに押さえられているわけでもない。
異常な状態ではあるが、その脳は酷く冷静に状況を判断していた。
しばらくなんとか動こうとしていると、首は僅かに動かせるようになっていた。
視線も動かせる。
首をギリギリまで傾け、目を動かす。
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黒いモヤのような物が宙に浮かんでいた。球体のそれは、ふわふわと浮かんでいた。目の錯覚か何かだろうかと、それを凝視していると――ふと、モヤの中に手が見えた。
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と、そこで不意打ちに睡魔が襲い、瞼が落ち、そのまま眠ってしまった。
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朝起きて、私は家のすぐ近くにあるコンビニにやって来ていた。
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空は灰色に覆われ、天からは雨が降り注いでいた。
朝からこうだと気分が悪い。できれば回復してほしいなと思いながら、適当なお菓子やらジュースを選んでいた。
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ふと、入り口の自動ドアに目が行った。
――!?
…昨日の黒いモヤが、扉越しに浮かんでいた。一人客が入ってくるが、モヤには目もくれない。おそらく、自分にしか見えないのだろう。
モヤから黒い瞳が見える。その目と目があった瞬間、背中をゾワッと何かが通り過ぎるような悪寒を襲った。
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目を背け、しばらくしてまたチラリと見ると、モヤは消えていた。
…できればもう二度と見たくないものだ。
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不安に押しつぶされそうになりながら、私は今日も眠る。
傍に佇む黒い何かと共に。
作者ぷらぐ@
内容は、今日私が見た夢を文章でそれっぽくしたものです。実際には、夜のベッドから急にコンビニへと切り替わったような感じの記憶なんですけどね。