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髪があったほうがよかった

中編3
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髪があったほうがよかった

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 よく怖い話で髪の長い女性が出るけど、それ以上に髪の無い女性の方が怖い気がする。

 

 これは友人から聞いた話。その友人の名前を仮に弘樹としよう。

 

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 ある日、弘樹は友人たちと川でBBQをしていた。

行く途中、川からさほど離れていない場所に、急なカーブの道があった。

その道端に、小さな花束が置いてあった。

「ああ、ここで誰かが亡くなったんだな。」弘樹はそう思った。

そんなこともあり、少々テンションの低い状態で始まったBBQ。

でも後半は、そんな事も忘れて思いっきり楽しんだそうだ。

そして、帰り道。

BBQのテンションのまま車の中で騒いでいると、ちょうど、あのカーブに差し掛かった。

すると、友達の一人がトイレをしたいと言い出したので、路肩に車を止めた。

彼を待っている間、弘樹たちは思い出を残そうという事で、適当に写真を撮り始めた。

そうしている内に、彼が戻って来たので、車に戻り出発した。

弘樹は助手席に座り、先程撮った写真を見ていると、ある1枚の写真が気になった。

その写真には、あの道端に置いてある花束が写っていた。

しかし、その花束と一緒に人の手の様な物も写り込んでいた。

もちろん、実際にそのようなものは置いてなかった。すると、次の瞬間。

「オイテイカナイデ。。。」

あきらかに女性の声。しかし、友人は全員男。

そんななかで女の人の声がするのはおかしい。

また、他に友人たちはまるで聞こえてないかのように、今まで通り騒いでいる。

気のせいだと思い、自然とサイドミラーに目をやると車の後ろから、誰かが追いかけて来ているのが見えた。

一目見て人ではないことが分かった。

人ではないそれは、白いワンピースを着ていて、

髪の長い、、、、、、

ほうがまだ良かった。

髪は、まるで引きちぎられたようになくなっていた。

なぜ、髪があった方がいいか。

髪がなかったら顔が見えるでしょ。

おそらく、その人は事故で亡くなったのであろう。

顔がぐちゃぐちゃで原型をとどめいいなかったからだ。

あまりにも異形なそれは、ずっと追いかけて来る。 そして、

「オイテカナイデ。。。」

さっきの声だ。しかし、その声は先と違って大きく聞こえた。

「オイテカナイデ。。。」

「オイテカナイデ。。。」

「オイテカナイデ。。。」

その声は、次第に大きくなる。近づいているという証拠だ。

shake

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「オイテカナイデオイテカナイデオテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデオイテカナイデエエエエェェェェェ。。。。。。。。。。。」

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ちょうど、トンネルに差し掛かったところでその声とともに、女の人は消えた。

「あー良かった。逃げ切れた。」

弘樹は安心し、車がトンネルを抜けた瞬間、

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「ツギハニガサナイ。。。」

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後日、調べてみると。あの場所で昔、カップルがドライブしていたら、カーブのところで事故に遭い、彼氏は自分だけ生き残り、その彼女が亡くなったそうだ。

 

あれから二度とあの場所には行っていないそうだ。

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