中編3
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ほの暗い遊歩道から

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とある団地の遊歩道沿いにわが家はある。

川沿いに建てた家で、今日もご年配の方やうちの4歳の娘と同じくらいの年の子供達が集まって楽しく話して遊ぶ、人が集まる賑やかな遊歩道。

その日、嫁は夕方からアルバイトにいき、俺は娘の寝かしつけを担当した。

いつもの週末の家族のかたちである。

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ふと目を覚ますと、娘もアルバイトから帰った嫁も隣でぐっすりと寝ていた。

どうやら娘を寝かしつけている間、いつのまにか寝てしまったらしい。

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すっかり目が覚めてしまった俺は、夜の10時から深夜の2時前まで一人の時間をエンジョイ!

飲み食いしながら大好きなサッカーの動画や映画をみたりと楽しんだ。

あっという間に自由な時間は過ぎ、ようやく眠くなってきたところで嫁と娘が寝ている2階の寝室へあがり、床に入った。

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眠りについてから少しばかり経ち目が覚めた。

体内時計と外の暗さから深夜の3時頃。

「ん?」少し開けた窓の向こうから足音が聞こえる。遊歩道をゆっくりとあるく音。

始めは「早朝に散歩をするご年配の方?」とも考えたが、外はあまりに暗すぎる。そして、この時間帯にはまずありえない。

さらに、その足音は通り過ぎるのではなく、わが家沿いの遊歩道をずっとウロウロしているのだ。

気にせず眠りに入ろうとしたとき、窓の外から

「にぃーー!」

という女子供の声が数回聞こえた。そこから笑う声や叫ぶ声など「なんか子供が騒いでいる…。」

一瞬驚いたが、その時は「目を覚ました近所の女の子が窓から叫んで遊んでるのかな?」などと思い、眠りにつくことにした。

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するとすぐに金縛りにあった。

先ほど窓の向こうから聞こえていた声が、寝室中に響き渡る。女の子とともに複数の子供達も一緒に騒いでいるような激しく騒がしい声だ。

さすがに驚いた俺は目を開ける。すると隣に寝ている娘、その奥で寝ている嫁の後ろに…

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白地に薄い模様の服を着た小さな女の子が…薄暗い寝室に立ちこちらを見ている‥

怖さのあまり目をつむり、まずは金縛りをとこうとする。

そして、しばらくすると金縛りはとけ、女の子の声も引いてゆく。

過去にもいくつかこういった体験があったので、「これは夢だな、気持ちの問題」と思い、また眠りについた。

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夢でみた映像。

隣で自分の知らないセミロングの小さな女の子が、綺麗なお花畑で気持ち良さそうに寝ている。

だが、話しかけようとした瞬間に彼女は花のなかに隠されていた、ベルトが力強く回転する機械のようなものに吸い込まれ、そのまま自分の目の前から消えさった。

「これでは助かるはずがない…」

とため息をついた瞬間、現実の寝室へ意識が戻り、

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娘を目の前にして横向きに寝ていた自分の背後から何者かが上半身に覆い被さってきた…!

そして、今度は俺の左の耳元で女の子の声が…激しくもささやくように何かをうったえ続ける。

あまりの恐怖に目を開き、隣で寝ている娘と奥にいる嫁に左手を前に出し助けを求める。

「頼む、助けてくれ~…」

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そして、しばらくあがいていると、覆い被さっている者も耳にささやく声も消えていった。

助けを求め、前に出していた自分の左手は隣で寝ていた娘の肩にのっている。とても安心した。

「助かった…」

いつも家族で寝ている穏やかな空間に戻れた。

暗がりの中、娘も何事も無かったようにぐっすりと寝ているようだ。そして、愛娘の顔を覗くと…

「あれ?起きてたのか」

どうやら娘は目を開けているようだ。

「すまん、騒ぎで起こしちゃったかな?」

でも…見開いて俺をじっと見ている娘の目はあきらかに…

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「娘の目じゃない…」

その瞬間、体は硬直したが

何秒か経つとその目はゆっくりと消えていった。

あの目は、なにかを訴えたかったのだろうか…

……?

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晴れた朝、目の前には愛娘の気持ち良さそうな可愛い寝顔。

これまで霊体験をしても出来るだけ信じなかった私ですが、今回の体験でなにか確信に近いものを感じました。

疲れてるならまだしも、心身ともに良好だった中での心霊体験でした…。

あと、何より怖かったのが、恐怖で助けを求める自分に対して寝ぼけた嫁の発言。

「夢夢、夢だから。」

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ほの暗い遊歩道から、の続きは時間があるときにお伝えします。これで終わりではありませんでした。

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