短編1
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生暖かいもの

バイトが終わり事務所で残っているメンバーとお喋りしている時でした。

私は、壁にもたれて誰もいない更衣室の前に座って話していました。

終わった後はいつも何でもない世間話をするのが日課となっていたのですが、その日はこのお店でるよねとちょっと幽霊話になりました。

実際、今はお店の入り口は1枚の扉だけなのですが、建て直す前は二重の自動ドアでした。

その時よく誰も立っていないのに内側の自動ドアだけが開くということがありました。

建て直した後もお店を閉め出る時にセキュリティーをセットするのですが、セットして1分以内に裏の出入り口の鍵を閉めないと熱探知が作動するのですが、閉めてすぐ誰もいないトイレの前で熱探知が作動し、アラームが鳴るという事もありました。

そう言う話をしてちょっと盛り上がっている時でした。

私の左耳の辺りに、私の顔と同じくらいの大きさの生暖かいものがふぁ〜と近づいてきたのを感じ直感的に嫌だ!と思い、近づくのをはらうように手を必死にはらったのですが、それは私を通り過ぎたと言うか、左耳に被さってきたと言うか、何とも言い難い感じがしてすぐ左耳に高いとも低いとも言えない大きめの耳鳴りがしました。

よく、低い音の耳鳴りは悪い霊がいるとか、音が大きいと近いと聞きますが私の左耳に近づいてきたものは何だったんでしょうか。

Concrete
コメント怖い
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実体験はストレートに怖さが伝わってきますね

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何か妙に生々しい実体験ですね、ちょっと肌寒く感じちゃいました。

次回作、楽しみにしております。

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