身代わり祟るフランス人形

中編3
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身代わり祟るフランス人形

ふと、五年前の奇妙な出来事を思い出したので書きたいと思う。

実話だ。※某サイトでも投稿している。

注意書きとさせてもらうが、この文章を閲覧する際、後に何が起こったとしてもすべて自己責任として欲しい。

それが出来ないという人は回れ右をして立ち去ることを勧める。

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当時俺は高校生であった。

霊感などの類は一切持ち得ない、ごく普通の男子高校生。

しかし、祖母が海外に行った際、持ち帰ってきたフランス人形に奇妙なことが起こったのだ。

それをこれから話したいと思う。

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夏休み。

俺はいくらか英語に優れていたので、アメリカ人との交流会に参加するため視聴覚室に来ていた。

そこではパイプ椅子を用いていたのだが、立ち上がる際、左手の中指を椅子の釘にひっかけてしまい、かなり深く引き裂いてしまった。

それはそれは大怪我で、床に血は滴るわ良い年して泣くわで、周囲の教師や生徒にまで騒がれる始末となった。

保健室に直行し幸い縫うまでには至らなかったが、三年経った今でも傷痕は根深く残っている。

そして、その日は早退した。

‥‥‥不気味な出来事が自分に起きている事実を知ったのは、帰宅してからだった。

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出迎えてくれた母が、掃除の時に何かを拾い、気になったから取っておいたとある物を見せてきた。

それは米粒ほどのほのかに色づいた物であった。

一見これが何であるのかわからなかった。

母が何故取っておいたのかもわからない。

どこで拾ったのかと尋ねれば、人形の設置してあるテレビ台の下だと答える。

不審に思いながらも人形をテレビ台から降ろし、欠損部分はないかと観察した。

sound:18

‥‥‥そして見つけてしまったのだ。

陶器で出来ているため、強い衝撃を受けなければ取れるはずのない指。

それも俺が怪我をした左手の中指が根元からごっそりなかった。

しかし、その時点で人形と俺の怪我を結びつけるにはあまりにも現実味がない。

だからその時俺は笑い話で済ませた。

母も同様、あり得ないと一蹴していた。

だが、それから一週間と経たない内に再び奇妙奇天烈な出来事はやってきた。

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sound:26

shake

ーーガンッ

人形が突然床に落下したのだ。

物凄い音であった。

俺は人形を手に取り、どこも欠けてはないだろうか、と顔を自分の方に向けた。

music:3

wallpaper:675

‥‥‥左目が真っ暗であった。

人形の左目がぽっかり空洞になっていたのだ。

やはりその時は恐ろしさを感じずにはいられなかった。

必死で探したが、人形の瞳は見つからない。

ガラスで出来た瞳が見つからないその理由を知ったのは、父が帰宅してからだった。

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「埋まってるよ、これ」

父が人形を上下に揺すると、中でカランと音が聞こえた。

間違いなかった。

この後にも再び霊障のような出来事に遭ったが、長くなるので結論のみを言わせてもらう。

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1.0以上あった俺の視力が、数週間で0.9ほど低下した。

それも左目だけ、だ。

おそらく、このような現象は生物学上あり得ないと思われるだろう。

しかし事実だ。

両親には眼科に連れて行かれた。

‥‥‥結果、勿論原因不明。

大学生として生活する現在、裸眼では日常生活に支障をきたすので、眼鏡がなければ不安となってしまった。

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最後に忠告として一つだけ。

人形(特に人形をしたもの)は、大切にして欲しい。

人形には魂が宿ると言うが、これは本当だと感じざるを得なかった。

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いや、もう早くみてもらったほうが良いと思います(>_

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