これは6年前の話です。
学校が終わり帰っている途中、携帯が鳴った
Kちゃんからだ(女友達)
電話にでて話を聞く
捨て猫を見つけた、拾ったはいいが、自分の家じゃ飼えないから貰って欲しいという内容だった
僕の家は既に犬を飼っている、そのことはKちゃんも知っている
僕「犬を飼ってるの知ってるよね?」
Kちゃん「うん…でも、目の前で捨てていくのを見ちゃって、ほっとけなくて…(涙声)」
はぁ~と呆れ気味に溜め息をついたが、僕も目の前で、猫が捨てられるのを見たら拾ってしまうだろう
僕「飼えないけど飼い主が見つかるまで預かるならいいよ」と伝えた
Kちゃんは喜びながら「すぐ連れてくると!」と電話を切った
20分位して突然、玄関先で、チョビ(犬)が吠えだしたどうやらKちゃんがきたらしい
玄関をあけ招き入れる
Kちゃんの腕の中には1匹の白い子猫がいた、産まれて間もないのか真っ白だ、僕はその子猫を受けとると、さっそく飼い主探しを始めた
結果、惨敗
なかなか見つからず夜も更けてきたのでその日は家に帰る事にした。
その夜、子猫は我が家のアイドルになった、最初は文句ばかり言っていた母親も笑顔で頭を撫でている
僕はチョビに餌を与えに玄関へ行く、その後をテチテチと子猫が着いてきた。
当然、犬は吠えるが餌を与え餌に夢中になっているところにチョビの目の前に子猫を持っきて
僕「チョビ、こいつ少しの間、家で預かる事になったよ、嫌かもしれんがコイツはまだ子供だ守ってやろうな」
チョビ「ガツガツ!…(餌に夢中)」
聞いてないなと思いながら子猫を撫でながら、ボ~とチョビを見る
餌を食べ終わり、頭を上げる、また吠えるかと思ったが、お座りしたまま吠えない、ジ~と猫を見つめる
僕はおもむろに
「噛むなよ」と猫をチョビの頭に乗せた「待て!」といいつけ少し距離をおく
動かないチョビ…
少しして母親が僕を呼ぶ「すぐ行く」と声のする方を見る
向き直すと犬がいない!どうやら待てに飽きて小屋に戻ったらしい「ヤバい!」と玄関を出てすぐ隣の犬小屋を見る
猫はチョビの頭の上で「にゃ~にゃ~」鳴いていた
ホッと安心して、しゃがむ僕を見てチョビが寄ってきた膝に前足をおいて「ベロベロ」顔を舐めてきた
僕は「ありがとう」といいながら猫を回収した。
翌朝(日曜)
犬の散歩をしに玄関に行く、ついでに猫も連れて行こうと思い猫を手に取り、チョビの頭に乗せ散歩へ
チョビは歩き辛いのか速度がいつもより遅い、走るのが好きなチョビは僕を引っ張り回す散歩が終わる時はヘトヘトだった。初めてマッタリとした散歩だ
急にチョビが、その場をグルグルと回りキュンキュンと鳴きはじめた
「どうした!?」とチョビを見る
どうやら首が痒いらしいが体が斜めになると猫が落ちまいと爪を立てる為、痛いらしい、オシッコをするのも体を斜めする為、体を震わせながらしていた。チョビにとってはストレスの溜まる散歩だったろうな…
30分位して散歩が終了
チョビに水を与え、猫を回収しようとしたが猫が剥がれない、爪を立て抵抗、犬が「キャイン!」
どうやら猫はチョビの頭が気にいったらしい、僕は猫の気がすむまでいさせてやる事にした犬には迷惑な話だ
チョビに同居人?ができた
飼い主探しは進展なく3日が過ぎた
猫は餌を食べ終わるといつものようにチョビのもとへ
ただ頭ではいつのまにか背中に乗っていた話し合いでもしたのか?
猫が来てちょうど一週間がたったチョビも慣れてきたのか猫が背中にいるのが当たり前の用になっていた
いつものように散歩に行こうとした時、Kちゃんから電話がきた、「飼い主が見つかったよ!」明るい声が聞こえてきた今日の昼頃に僕の家に来るらしい電話切り僕は「キタか~」みたいな独り言を言いながらチョビと猫を見た
お昼過ぎ受取人が来た女の人だ
僕は猫を餌でおびき寄せ回収、その人に手渡した。
「にゃ~にゃ~」
子猫の鳴き声と
「ワン!ワン!」と鳴くチョビの鳴き声が聞こえた時は、泣きそうになったなりました。
猫が車で運ばれ鳴き声が聞こえなくなり、僕はチョビのもとへ
寂しそう?な背中を向けていたチョビに「ゴメン、ありがとうな」といい家にはいりました。
子猫が貰われて数日が過ぎいつもと変わらぬ日常が過ぎていました。
学校が終わり家でゴロゴロしてる時に電話が鳴った
Kちゃんだ電話に出ると暗い声が聞こえてきた 「どうしたん?」と聞くと、どうやら
子猫が逃げ出したらしい、いなくなってから3日たつと連絡がきたらしい
Kちゃんは残念そうな声で「死んじゃてるかな?」と聞いてきた
僕は「多分ね…」と答えた
翌朝
僕はいつもの用に犬の散歩しにチョビのもとへ
チョビが小屋から出てきた
…
…
…!?
一瞬何が起こったのか理解出来なかった。
チョビの背中に子猫がいた!しかも足が一本ない血だらけだった
恐る恐る覗き込むと汚れてはいたが確かにあの白い猫だった
ポトリと子猫が背中から落ちた…
チョビが鼻の先で何度もピスピス鳴きながらつついていた…
僕は泣きながら「ゴメン、ゴメンね」猫に謝った
あの時、親と喧嘩してでも家で飼ってやれば良かった!後悔でイッパイだった…
僕とチョビは裏庭にいた白い猫を埋める為だ穴を掘り猫を入れた…
掘り返えそうとするチョビ、僕はチョビ抱き止めた。「ゴメンよ」
今回の事で何度チョビに謝っただろう。「ゴメンよ…」
何時間かたって、僕はKちゃんに電話した
僕「子猫帰ってきたよ」
Kちゃん「本当!それじゃあ、すぐに○○(受取人の名前)さんに連絡するね」
僕「いいよ、大丈夫、家で飼うことにしたから」
Kちゃん「え!?そうなの!分かった~今から会いに行っていい?」
僕「疲れてそうだからさ勘弁してやってそれに、今は友達と一緒だからさ」
Kちゃん「友達?猫に?」
僕「そうそう、種族が違うけど、仲良くてね、少しは見習わないとね差別する人間は」
Kちゃん「ふ~ん?」
僕「それじゃあ」
僕は二階の窓から猫の墓を見る
その横にはチョビが尻尾を振りながら、気持ち良さそうに眠っていた。
全部読んでくれた方有難うございます。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話