佐賀県某少年自然の家
もうあれから10年になります。
ですがおれの中では何か大切なものの様に記憶に映像として刻まれていてます。
忘れ様にも忘れられないそんな不思議な話です。
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小学生6年生の夏。
小学校のレクリエーションで毎年6年生は修学旅行とは別に夏休み少年自然の家にキャンプに行きます。
某所とは言ってますがそこは佐賀近辺では割と有名な心霊スポット←?? らしくそうでなくても岩肌切立つ山々は何か神聖なものを感じさせました。
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その地は後で知ったのですが鎌倉時代から修行僧が多く山道には修行半ばで亡くなった修行僧を慰める石碑があったのを覚えています。
…でなくても山の登山道で亡くなった方も少なくはない様です 泣
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そんな背景を他所に遊び盛りの小学6年生その前の週からキャンプの話で盛り上がりやれトランプだやれDSをこっそり持ってくるだで大騒ぎでした〔ちなみにその頃は初期のDSです←どーでもいい〕
大人たちましては先生たちも酒盛りの準備にやけに意気揚々で小学校の言えば外部授業を肩書きになに飲み会うっぱじめるつもりなんだと子供らで笑いながら指差し批難しました。それくらいゆる〜い授業でした。
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昼、夕方は森林探索、ドッチボール、キャンプファイアーなとで盛り上がり学校の管轄はここまでで、ご飯の後は自由時間を盛大に楽しみました。
おれ「先生たちもうお父ちゃんたちと飲みよらすばい」
友人Y「おいのお父さんも顔ば真っ赤にしとらした 笑」
おれ「もー外も暗かけん部屋にいこーで」
友人Y「よかよ」
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そこの少年自然の家の宿泊施設は木造平屋が三列横並びになっており、手前から先生たち大人、真ん中女子、その次に男子という並びで男子寮が一番自然の家から遠く山側でした。
部屋は二段ベットが二台ある作りです。
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日がある頃はまだ山々も賑やかに見え楽しさだけがありましたが、日が暮れ夜が深まるにつれ山や岩肌は暗く沈み、山独特の冷気が隙間から吹き込んできました。
おれらの部屋は男子4人部屋でしたが、大人の目がない事があり他の部屋で大騒ぎでした。
ですが次第に昼間の疲れが身体を重くさせ各自解散になり部屋にもどりました。
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それから約10分後男子寮の空気が変わりました。
友人「おい!Sたちの部屋で幽霊が出たて!!」
おれ「まじ!?行こうで!」
男子寮の手前から二番目の部屋で窓を白いものが横切ったと騒ぎになってました。←1番手前の部屋は先生の部屋
子供特有のパニック状態でやっと気付いた大人が促すも騒ぎは落ち着きません。
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その後も嘘か本当かわかりませんが
黒猫が窓の外からこっちを見てた…とか
幽霊は男子寮をぐるぐる回ってる…とか
鏡に女がうつってた…とか
友人Y「やべぇなここ!マジで出たって!」
おれ「怖いってーこの部屋にも出るっちゃなか!?」
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その後も騒ぎは止みませんでしたが先生の酔いの一喝で次第に騒ぎは止み生徒らは各部屋に戻ります。
それから約半時間がたち変化が起きました。
男子寮の生徒の内覚えてる人数で3人38度ほどの熱先生に申し出ました。偶然かな?とも思いましたがその中の2人が男子寮の二部屋目、つまり最初に幽霊騒動があったとこでした。
その中の1人は確か家が霊道で霊感があるって噂…
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自分も本当に幽霊の仕業か、はたまたパニックによる発熱かで8度5分の熱を出しました。
他の3人はその時親御さんに連絡し迎えに来てもらい帰りましたが、おれは父親がクラス委員なのと、おれがどーしても帰りたくないとぐずるので『明日の朝治ってなければ帰す』という条件付きで部屋に戻り様子見をしました。
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熱は続き息は荒く、身体は汗を吐き出しそしてまるで誰かに全身を押さえつけられてる様に体は動きません。
部屋には友人Yの他に2人の友達がいますが夜も遅く皆疲れで寝静まっています。
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その時ふと誰かに見られてる…と気付きました。
確かな視線で部屋の天窓からその視線があると気付きました。
熱と寝ぼけ眼で見るとなしずっと天窓を見てました。
その時こう思いました。
「あ、女の人が見とる」
何かを見て怖がった訳ではありませんが
おれの頭はその視線を『女の人』と認識しました。
これが霊感ってやつですか…??
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その視線がゆっくり消え黒塗りの窓のだけが残りました。
不思議と奇異の現場にいるにも関わらず
恐怖心や孤独感はなかったことを鮮明に覚えています。
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その時です。
ベットの外から白く綺麗な女性の手がいつの間にかそこにあり、空中に浮いて自分の方に伸びて来ます。
おれは現在進行形で身体が動かない状態。
その時も
「あ…手だ」としか認識が出来てなく引き継ぎ恐怖心はありません。
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その手はゆっくりと顔に近づきます。
おれは何もできずされるがままの状態。
その手からは悪意、攻撃的な印象はなくただただ無感情で近づいてきます。
そしてとうとう手は眼前に近づきまるで羽毛のようにふわりと額に触ります。
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その時感じたのは『優しさ』しかも母や守ってくれる対象から感じるものでした。
その手は心地よく冷たく、おれの額に集中した熱を溶かしていきます。
記憶はここまででそれからは寝てしまったと思います。
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翌日体温を測ると熱は下がっており平熱。
その晩の話を誰にしても信じてもらえず『熱による夢だろ』と片付けられましたが、
未だに鮮明で確かな記憶とあの心地よい冷たさ。
見えた白く美しい女性の手。
そして何かの優しさ…
何故か忘れられない。
おれの少年時代の大切な記憶です。
作者海んと
見て頂き本当にありがとうございます。
おれ自身少年期はちょくちょく不思議な体験?
はしていましたが今は全くです 笑
怖いもの見たさではありますが
もう一度見れる様になりたいですね 笑
文中の少年自然の家も結構有名ですので
同じ様な体験をされた方いらっしゃいませんか??
最後に本当に読んで頂きありがとうございました。