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短編1
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僕は疲れている

今日も深夜を回っての帰宅。

いつもと変わらない夜。

東京に憧れて上京してみたものの

自分の思い描いていたの都会生活と

まるっきし違い、最近の口癖は、もっぱら

「こんなはずじゃなかったのに」だ。

都会の秒針の速さに付いていく事だけに

必死な自分に、純粋な嫌気を感じていた。

「このままじゃ。おかしくなっちまうよ。」

でも、そんな小言は都会の秒針からすると

ただの小洒落たワガママでしかない。

いつもと変わらない夜は

いつもと変わらないものしか

僕に与えないのだろうか。

明日も仕事が早いので直ぐに寝る事にした。

暖かい布団に身体を埋め

「やっと寝れる」幸せを噛み締めた。

睡魔は直ぐにやってきた。

身体中にのし掛かった塊が

ベットの中に優しく落ちていく。

頭の中が綿菓子になったみたいに

フワフワで甘く、愛しい。

目の奥に溜まったものが

じんわりと夢の中に溶けていく。。

ずっとこの時間が続けば

いいのに

すると

「死ね。」と誰か耳元で呟いた。

いつもと変わらない夜。

僕は、いつも通り無視して寝る事にした。

だって、明日も仕事なのだから。

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