【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

中編4
  • 表示切替
  • 使い方

小さい時に、なんだか怖い

でもどう表現したらいいかわからない

そんな夢を見たことは無いですか?

今から話すのは私のそんな夢の話です

separator

nextpage

私は小さい時によく風邪を引きました

親は共働きで1人で部屋で寝ていることが多かったです

1人で部屋にいると寂しかったのか

風邪のだるさもあったのか

私は泣きながら寝ていたそうです

nextpage

私は風邪をひいた時に必ず見る夢がありました

ブラウン管のような

ゲームセンターの筐体のような

古いゲーム画面を見ている夢

真っ黒の画面

その下の方に1本の白い横線が画面のはしからはしまで引いてある

横スクロールのゲームのように白い横線が右から左に流れていく

そんな夢を見ていました

nextpage

ずっと白い線が流れていく、

なんの変化もない白い線がずっと流れて

流れて、

流れて、

流れて、

流れて、

ふと私は気づいた

(あ、これは夢だ)

そう思った瞬間

nextpage

shake

白い線が上下に激しく揺れ

その揺れは次第に大きくなり

画面いっぱいに白い線が暴れている

耳が壊れるくらい甲高い

金切り声のような音が聞こえる

頭が痛くなってきた…

nextpage

目が覚める

すごく喉が乾いた

汗はかいていない、でも涙があふれる

つらい、苦しい、かなしい

そんな思いが頭の中をぐるぐる回っている

(怖い夢だったな、)

小さい時の私はそう思うだけ

なんて説明したらいいのかわからない

ただ怖いとそう感じた

nextpage

小学校を卒業するまで風邪を引く度にこの夢を見た

しかし、卒業してからは見ることはなくなった

風邪を引かなくなったからだ

運動部に入って免疫力があがったのか

高校を卒業しても

風邪を引くことは無かった

nextpage

社会に出て何年か経ち

運動をすることも減り

会社でのストレスもあったのか

私は風邪を引いた

なかなかの高熱だった

nextpage

家族に水分をたくさんとって

安静にしておけと言われた私は

自分の部屋に戻り

スポーツドリンクを飲み眠りについた

nextpage

目が覚める

自分の部屋だ

でも、なにかおかしい

いつもと景色がちがう

そうだ、扉が遠い

ベッドとは対角にある扉が遠く見える

(風邪で目がおかしくなったかな)

おかしな事はそれで終わらなかった

扉がだんだん遠くなっていく

こんなことありえない、、

意味がわからない

(あ、これは夢だ)

nextpage

shake

ブツンッ

nextpage

目の前が真っ暗になった

PCの電源を切ったように

暗くて何も見えない

いや、何も無いわけじゃない白い横線が見えた

nextpage

思い出した

あの時の夢だ

懐かしいゲーム画面のようなあの夢

あの時と違うのは見ている向きが逆だということ

白い線が左から右に流れている

子供の時に見た夢は右から左、

確かに覚えている

nextpage

今気づいたがその線に沿って私は歩いている

なにかに向かって歩いて

歩いて、

歩いて、

歩いて、

歩いて、

そして横から声が聞こえた

((あ、これは夢だ))

昔の私の声だ

その瞬間白い線が暴れだした

甲高い音も聞こえる

(ああ、見たことがある、もうすぐ目が覚める)

nextpage

覚めない

おかしい、いつもならここで目が覚めるのに

もしかして夢の続きでもあったのか?

いや、このまま夢から戻れないなんてことも…

変なことまで考えてしまうくらい

なぜか私はひどく焦っていた

nextpage

白い線はまだ暴れている

甲高い音も次第に大きくなっていた

この音、

(人の声…?)

女の人の叫び声のように聞こえる

つらい、苦しい、かなしい、

訴えかけるような声だ

頭が割れそうだ

息がしづらい、苦しい

それにしても、

nextpage

shake

あつい!

すごくあつい!!

あつすぎて痛いほどだ

気づくと白い線が私を覆っていた

(これがあついのか!)

白い線があつく感じる

私にまとわりついてくる

あつくて逃げ回っていると動くたびに白い線が周りに広がる

(ああ、これがなにか分かった)

分かったところでなにもできない

苦しい、痛い

そのまま意識が遠くなっていく

nextpage

目が覚める

自分の部屋じゃない

見たことのない景色、白い天井

そこに見たことのある顔が見えた

親の顔だ、涙で顔がぐちゃぐちゃだ

なんで泣いているのか、私はどこにいるのか

自分の体をみればすぐ分かることだった

なぜこんなとこにいるのか聞かなくても大体予想はつく

分かってはいたがとりあえず聞いてみた

nextpage

聞くと私の部屋から叫び声が聞こえてかけつけると私がのたうち回っていたらしい

急いで病院に連れていき症状を医者に聞くと

脱水症状と、軽い火傷を負っていると言われたらしい

十分に水分はとっていたし近くに火傷をするようなものは無かった

みんな不思議そうだったが私は

(やっぱりそうか)

と思っていた

nextpage

やはり夢の中で思った通り白い線は火だった

揺れていたのは火が燃え盛っていたからだ

夢の中で起こったことが私の体に起こった

そういう事なのだ、そうとしか考えられない

いったいあの夢はなんだったのか

今でも何もわからないまま

それでももうあの夢は見たくない

あんな苦しい思いはもうしたくない

separator

nextpage

ここまで読んでいただきありがとうございます

いかがでしたか?

腑に落ちない部分も多いですし

私自身もわからないことだらけです

お祓いなどはしてもらっていませんが

そのあとは何も起こっていません

腕の火傷のあとは少し残っていますが

元気ですし火事も起きてません

nextpage

ふと思ったのですが

こういう話ですとたいてい夢の中と同じことが起きてそのまま死ぬというイメージがありました

私は死ななかったということは

もしかしてすごい守護霊とかついているのかもしれませんね

ほんと何も起きなくてよかったです

nextpage

でも最近のどが痛いんですよね

nextpage

風邪でも引いたんでしょうか?

nextpage

to be continued…

Normal
コメント怖い
1
8
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ

夢自体は単純なもなのになぜか不安を煽られて怖い
夢から戻れなくなるみたいな話はファンタジーの中であるけど、特に今は問題なく暮らせていてあれはなんだったんだろうというのがまた怖い

返信