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短編2
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東館の赤い糸

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これは僕が小学校の頃、実際に体験した話。

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僕の小学校は、校舎が本館と東館にわかれていた。

問題はその東館の方。

その頃の東館は建てられたばかりでまだ中もそこそこ綺麗。でも何故か、怪談話が絶えなかった。

特にトイレ。

「窓の外に黒い影を見た」「声が聞こえた」そんな生徒が後を絶たず、かなり恐れられていたみたいだった。

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当時小4だった僕は怖いもの知らずで、そんな噂聞いてもうんともすんともしなかった。

そんな僕の教室はトイレのすぐ隣。

みんなは怖がっていたけど、僕はなんともなかった。

ただ一つ、トイレの前を通る時に必ず寒気がする事を除いては。

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そんなある日、僕にトイレ掃除の番が回ってきた。

僕は基本的に学校ではトイレに行かないから、トイレに入るのはその日が初めてだった。

普通に他の2人と一緒にトイレへ向かう。

トイレに入った瞬間、すごく嫌な気配がした。

トイレの前を通る時の比にならないくらい、すごく気持ち悪くなった。

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僕は霊感が強い方だ。

多分、母方のおじいちゃんの実家がお寺なのと関係してると思う。

気持ち悪いと思った場所には近づかない、そういう風にルールを決めてた。

でもその時は何故か、そこから離れようと思わずに、普通に掃除をすすめた。

後から考えると、この時の僕の行動は不自然だと思う。

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掃除は思いの外早く終わって残りの時間他の2人とトイレで雑談をしていた時、僕はトイレの奥の床に赤い糸が落ちているのに気づいた。

A「ちょっと〜、まだゴミ落ちてんじゃんw」

僕「うわ〜まじか、拾っとこ〜」

B「僕ちゃん、ちゃんと捨ててね?w」

こんな会話をして、僕は赤い糸を捨てた。

そう、捨てたはずだった…

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僕はトイレ入り口のゴミ箱に赤い糸を捨てて、振り向いた。

AちゃんとBちゃん、その後ろ、トイレの奥には

また赤い糸。

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僕「…え?」

A「ん?何〜?どうした?」

僕「いや、後ろ…」

AちゃんとBちゃんが後ろを見る。

B「あれ?僕ちゃん、さっき赤い糸捨てたよね?」

僕「捨てた…はず、だけど…」

A「もー!僕ちゃん、ちゃんと捨ててよね!」

そう言って今度はAちゃんが赤い糸を捨てる。

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A「はいっ、捨てたよ〜!次からはちゃんと捨ててよ……え?」

Aはこちら、いや、僕達の後ろ。

トイレの奥を見て青ざめた。

僕達も恐る恐る振り返る。

するとそこには、

また、赤い糸

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さっきと同じ場所に、また同じ糸。

その場が一瞬にして凍りついた。

僕達は急いで教室に戻り、事情を伝えて先生についてきてもらった。

でもそこには、赤い糸はもうなかった。

僕とAちゃんが捨てた、ゴミ箱の中にあるはずの赤い糸さえも…

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