今はもう24ですがこの前中学3年生のときに体験した話を思い出すことになったので書かせてください。
私の通う学校では、一時期怪談話が流行っていました。学校の七不思議や、夜にある場所に行くと幽霊が見えるなどのよくある話がほとんどでした。
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でも、そんな話の中でも1番流行っていたのはこっくりさんなどの降霊術でした。隣のクラスのE男がこっくりさんで告白の仕方聞いたら成功したらしいぞなどの噂がたくさん広がっていました。
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もちろん私もこっくりさんや合わせ鏡をしたりしてました。しかし、一度も成功したことはありませんでした。よく友達のAが
「お前、降霊術でなんか見たことあるか?
ビビりやからやったこともないか」
とからかわれたりしました。私はやったことはあると反抗しましたが、成功なんてしたこともないので幽霊の特徴など言えず結局バカにされたままでした。
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そんな日常を送っていたある日、私はついに我慢できず、
「お前の知らない降霊術を俺は知っている」
と嘘をついてしまいました。
Aは、
「なら、教えろよ。今度Bも誘ってやろうぜ」
と半分信じていないような口調で言われました。
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結局、降霊術を行う当日までなにも良い方法が思いつきませんでした。
Bの家にお泊りという口実で、降霊術を行うことにしていたのでとりあえずはBの家に行きました。
ご飯を食べてお風呂に入ってゲームをしたりして、23時になった頃にAが、
「おい、そろそろ降霊術やろうぜ」
と、言いました。
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私はとりあえず雰囲気が出ればいいと思ったので、ロウソクと皿と水を用意してもらい、皿の中にロウソクを立てて火をつけ固定した後に水を入れて部屋を暗くしました。その後に、3人で手を繋いで、
「じゅぞうさま(俺の中では呪憎様のつもりだった)じゅぞうさま私達と友達になってください」
と3回唱えました。
もちろん、何も起こりませんでした。
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AもBも内心少しビビっていたようで、何も起こらないことに安心したのか、
「何も起きねーじゃねーか。さめたわー、寝ようぜ」
みたいなことを言ったので、私も安心して寝ることにしました。誰も怖いとは言いませんでしたが、少し怖かったのか明かりが多いリビングで寝ることにしました。
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寝てからどれくらい時間が経ったのかわかりませんが、トイレに行きたくなって目が覚めました。すると、部屋のどこかで
「たあ…たあ…」
みたいな声が聞こえた気がしました。降霊術もどきをやったばかりなのでさすがに恐怖心がありました。
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ビビりってまた言われるのは嫌でしたが、恥よりも恐怖心が勝っていたので、AとBを起こしました。2人とも最初は寝ぼけてましたが、だんだん目が覚めてきたようで声も聞こえているようでした。さすがにこの状況ではビビりとは言うことはできないらしく少し震えてました。
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3人で固まって声の正体を必死に探しましたが一向にわかりません。
このリビングが危ないと思ったのか、
「部屋の方に行こう」
と聞こえたので、3人で部屋に戻りました。
違和感があったのですがなにかわかりませんでした。
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部屋のドアを開ける前に気付きました。部屋に戻ろうと私たちを動かした声はそこにいた誰の声でもなかったのです。しかし、気付いた時には遅くBがドアを開けてしまっていました。
部屋の中を見ると、降霊術をしていた中央に小さな女の子?が立っていました。
女の子は透き通っているように見えました。
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私たちは叫ぶことも忘れて家の外に逃げ出しました。
でも確かに私たちは見たのです。その場から離れようとした瞬間に。白目がない?ようで真っ黒な目をしており、口元に笑みを浮かべてた女の子を。私たちはどうすればいいかもよくわからずとにかく明るいところに行きたかったのでコンビニで朝を待ちました。
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その後はずっと何もなく生活していたのですが、ついこの前Bとたまたま会って話を聞いた時に再び恐怖に襲われました。
ここからはBに聞いた話なのですが、
呪憎様を見た後は、あの部屋は使わないようにしていたそうです。でも、どうしても部屋にある漫画が読みたくなり部屋に入ったそうです。
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すると、怖くて親に処理してもらったはずの降霊術のセットがあり、しかもロウソクに火がついていたそうです。もう怖くなって漫画どころじゃなくなって、親に処理してもらいお祓いまでしてもらったそうです。しかし、ずっと何もなかったのですが2ヶ月ほど前に家が全焼したそうです。誰も家にはいなかったそうなので、それは救いでした。
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出火原因は、降霊術を行ったあの部屋にないはずのロウソクがカーテンに燃え移り火事になったとのことです。
降霊術には呼び方もあれば終わらせ方もあります。しかし、私には終わらせ方がわかりません。だからお祓いをしてもずっと呪いが続いていたんだと思います。
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部屋がなくなった今、呪いはどうなったかわかりませんが、まだ終わっていないと思います。降霊術を行うときは、ロウソク、水、皿だけでなく参加する人の髪の毛を一本ずつ皿の水の中に入れます。その一人一人の負の気持ちが呪憎様をつくりあげたのかもしれません。
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誰か終わらせ方がわかる人はいませんか。
これを書いてる時にも、あの女の子の顔が頭に浮かんで離れません。次は自分のところにくるんじゃないかと思って不安でたまりません。
作り話でも気持ちの持ちようによっては本当の話になってしまうのです。私が考えた降霊術が原因で起こった事かはわかりませんが、ほぼ間違いなくそうだと思います。
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Bにはとても申し訳ないです。
呪憎様が、これ以上なにも起こさない事を祈ることしかできません。終わらせ方はないのかもしれません。
恐怖でもう押しつぶされそうです。
もう呪いからは逃げられない。
もうなんもわからない。
タスケテ……。
作者めろろん