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中編3
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コバエ

私は大学生になって一人暮らしを始めました。

しかし、大学が決まるのが遅かったせいで時間がなく、近くだからここにするか、みたいにそんなに下見することなく決めました。

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少し家賃は高めですが、それ以外は特に不満もなく、強いて言えば部屋の電灯があまり明るくない事くらいで、快適に生活しています。

また、部屋はロフトがあり、そこで寝れるようになっているため、ベッドが無い分、ワンルームでしたが広さも充分あります。

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私は多少潔癖のような部分があって、掃除を怠らないよう気をつけています。

食べた後の食器や出たゴミは早急に捨て、虫が発生することの無いようにしています。

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しかし、6月に入った頃だった気がします。

なぜかコバエが部屋の中にいるのです。

それが一匹、二匹ならまだしも、そのときは五、六匹はいました。

かなり蒸し暑くなっていたし、玄関の出入りや外の干している洗濯物を取り込むときに入ってきたのかな、と思っていました。

しかし、コバエは捕まえても捕まえてもいつの間にか部屋の中にいて、コバエ無限状態。

いくら侵入経路があってもこんなに増えていくものなのか、不安になりました。

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私の部屋はアパートの二階の真ん中にあり、アパートのゴミ置場とは近くはありません。

周りは民家や他のアパートに囲まれており、コバエが発生しそうといえばそうですが、特別変わった場所でもありませんでした。

もしかして、窓やドアに隙間があってそこから入っているのかと思い、全ての窓やドアを確認しましたが、目立った隙間はありません。ドアや窓も開ける時は1分足らずで、頻繁に開閉もありません。

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その時はもう夜だったので、諦めてその日は眠ることにしました。

ロフトに上がり、横になるとコバエが私の顔付近を飛び、思わず起き上がりました。

ロフトは部屋よりもさらに暗く、見えにくかったのですが、コバエが複数いるのがわかりました。

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私は1つ、窓を確認していなかったことを思い出しました。

それはロフトの奥の突き当たりにある小窓です。入居して一度も開けたことが無かったため、その存在を忘れていました。

私はスマホのライトをつけ、暗い小窓の方を照らしました。

小窓にはカーテンがついており、そのカーテンに何匹かコバエがいました。

ああ、きっとその小窓が空いていて、そこから入ってきたんだ、そう感じてカーテンを開けました。

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しかし、小窓は空いてなかったんです。

でも、思わず声を出してしまいました。

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それは、その小窓の下の淵の桟にありました。

茶色や黒といった変色したであろうドロドロとした何かが、桟いっぱいにありました。

臭いも強烈でした。

そこにはコバエもたくさんいて、おそらく発生源になっていたようでした。

これだけでも気持ちの悪いものでしたが、さらに気持ちの悪かったのが、大量の黒く長い髪の毛が、そのドロドロとしたものと混ざっていて、しかも小窓の下の方にこびりついていました。

因みに私の髪は明るい茶色で、明らかに私のものではありません。

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翌日、大量の水や消毒を使ってその桟を綺麗にしました。

せっかく綺麗にしたので、大学卒業まで引っ越すつもりはありませんが、その桟のドロドロをとったときに、その下から変色して読みにくかったのですが、明らかに「呪」と書かれた紙が出てきたので少々悩ましいです。

また、部屋で変なことがあったら載っけていきたいです。

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拙く長々しい文を最後まで読んでくださりありがとうございました。

Concrete
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